エミレーツ航空EK140便はヴァーツラフ・ハヴェル・プラハ国際空港の滑走路の手前までタキシングするけれど、なぜか離陸しない。最初は着陸する飛行機を待っているのかと思ったら、それにしては時間が長すぎる。やっと滑走路に入ったと思ったら、悲しいことに離陸するわけではなく、どうやら離陸直前に不具合が出て、機材の不具合の点検のためにスポットに戻るという。
ターミナルとは別の場所だけど、機材不具合のためにスポットに戻り点検中。今回は乗り継ぎ時間は2時間50分と十分にあるので1時間程度の遅延であれば何ら問題ない。
7/30 EK140 PRGDXB 15:55 23:50
7/31 EK318 DXBNRT 02:40 17:25
※EK=エミレーツ航空 NRT=成田空港 DXB=ドバイ国際空港 PRG=プラハ
いっこうに離陸する気配がない。やることもないので2階席の最後尾にあるビジネスクラスのバーカウンターを見にいってみるけれど、離陸しないとオープンしないみたい。
バーカウンターの周囲には座るスペースもある。今、ここをオープンしてくれれば、みんな暇なので賑わうのだろうけれど。
1時間以上経っても機材の不具合は解消しない。2016年のブリュッセル空港の悲劇のように、もしもフライトキャンセルになったら、満席のエアバスA380の乗客を代替便で捌けるのかなぁ?よく考えたら、2016年はブリュッセル空港、2017年は香港と2年連続して到着予定日に自宅に戻れていない。まぁ起きてしまったことは仕方がない。幸いにもせっかくビジネスクラスなんだから、座席をフルフラットにして休むことにする。
もうジタバタしても仕方がない。色々考えたって、心配したって、自分の力ではどうしようもない。心配したところで事態はなにも動かない。私のこれからの運命は神に任せるしかないので、せっかくのビジネスクラスの座席を楽しむことにする。といっても、横になるだけなんだけど。
ペリエを飲みながら、のんびり過ごす。どうやら飛行機から降ろされる気配はないので、機材の不具合は欠航になるほど致命的なものではなくいつかは飛ぶんだろう。
2時間後、ようやく18時過ぎに機材の不具合は解消されたみたいで、エミレーツ航空EK140便のエアバスA380は再び滑走路に向けてタキシングを始める。
ようやく18時過ぎに2時間10分遅れで離陸。フライトキャンセルになる危機からは脱したけれど、次の問題は成田行きEK318便に乗り継ぎができるかが微妙な時間。成田行きEK318便の出発時間までにはドバイに到着できそうだけど、たぶん乗り継ぎ時間がない。
エアバスA380のサンシェイドはボタンを押すと閉まる。
ようやく昼食の時間。15:55発のフライトなので、プラハでお昼ごはんは食べなくても良いかと思っていたんだけど、結果的にはプラハの時間では19時すぎなので、プラハでちゃんとお昼ごはんを食べておいてよかった。エミレーツのシャンパンはヴーヴ・クリコ“Veuve Clicquot”。
そして、前菜が運ばれてくる。
Roasted duck served chilled with apple and horseradish coleslaw and Mediterranean vegetables.
前菜はアスパラガスのスープとスモークトラウトとの3択の中からローストダックを選択。
そしてメイン料理が運ばれてくる。
Braised veal cheeks with chanterelle ragoût,dauphinoise potates and green peas.
赤ワインはボルドー・サンテミリオン “Château Barde-Haut 2004 Saint-Émilion Grand Cru” 。いつも飲んでいるエコノミークラスのワインを違って美味しい。どう美味しいかは残念ながら私には表現できないけれど。
牛ほほ肉の煮込み。そして、大好きなグラタン・ドフィノワ。ビジネスクラスの食事って、ワインは美味しかったけれど、料理はエコノミークラスよりは格段に美味しいけれど、地上のレストランで食べる料理の方がよほど美味しい気がする。
デザートはチーズケーキ。
食事が終わると、ビジネスクラスのシートにはクッションが敷かれておやすみモード。けっきょく、ビジネスクラスに乗ってしまうとゆっくりと休めてしまうために、バーに行くこともなく目的地に着いてしまう。
ビジネスクラスはゆっくりと休めることに最大の価値があると思うんだけど、エコノミークラスしか使わない貧乏な私にとっては、自分でお金を支払うほどの価値はないと思ってしまう。だって、ビジネスクラスの食事だって、エコノミーの機内食と比較したら美味しいけれど、現地のレストランで食べたほうがよほど美味しい。たしかにフルフラットのベッドになるビジネスクラスの座席はゆっくりと休むことができるけれど、私にとっては自分でお金を出すほどの価値はないかなぁ。私は根が貧乏なので、エコノミークラスの座席で我慢して、現地のレストランで美味しいものを食べた方がいいと思ってしまう。
ようやくドバイに向けて降下中。本来ならば日付が変わらない23:50に到着予定だったけれど、けっきょく2時間の遅れは回復できず、着陸は2018年7月31日火曜日の深夜2時すぎになりそう。ドバイ2:40発エミレーツ航空EK318便成田行きへの接続は微妙な感じ。韓国人の団体客は置き去りにすると便の振り替えが困るので救済されるかもしれないけれど、個人旅行者しかいない成田行きEK318便は救済措置があるのかなぁ?飛行機を降りたところで「トーキョー、ナリタ」と叫んでいる職員がいれば救済されるし、職員がいなければ、乗り継ぎ失敗が決定的。
こんな状況にも関わらず、ドバイ国際空港では恒例の着陸待ちの「ぐるぐる」のために着陸がさらに遅れる。着陸後にゲートに到着したのは2:20。2:40発の成田行きEK318便まで20分しかなく、すでにゲートが閉まっている可能性が高い。救済措置がなければ、広大なドバイ国際空港のターミナルを20分で移動できるはずがない。
飛行機を降りると、「ソウル、インチョン」は救済措置があるようで係員がいる。係員に「トーキョー、ナリタ?」と聞くと、カウンターに行くように言われて、その時点で乗り継ぎ失敗を確信する。すでに、飛行機に乗っているうちから乗り継ぎ不可能の判断がされたようで、メールに代替便の案内が来ており、代替便は24時間後の翌日のEK318便。実際にカウンターに行くと、すでに代替便の搭乗券が3食つきのホテルバウチャーとともに準備されている。これから24時間をドバイで過ごさなければならない。時間に余裕がある学生さんや、休暇が伸びても仕事に支障なく休める人にとっては、このオファーは3食つきのホテルつきで無料でドバイ観光ができるんだから考えようによってはいいオファーと言えるかもしれない。
でも、私は今回の乗り継ぎ失敗についてプラハの空港にいる時からまったく焦っていない。実は、エミレーツ航空にはEK312便羽田行きへの振り替えという最終手段があることは最初からわかっていた。カタール航空とエミレーツ航空は成田便に乗り遅れたとしても、その5時間後に羽田便があるので、東京着が22:45と深夜になってしまうけれど、深夜になってしまうけれど7/31のうちに帰国し、8/1は予定通りに仕事に行けるのでリカバリーは可能だということは知っていたから。
7/31 EK312 DXBHND 0800 2245
※EK=エミレーツ航空 HND=羽田空港 DXB=ドバイ国際空港 PRG=プラハ
先行研究の中には、「ドバイのトランジット失敗をリカバリーする方法」として、EK316便関空行きへの振り替えの事例を紹介しているケースもあるようだけど、確かに危機を回避しているので旅慣れていることはわかるけれど、私にはベストな方法だとは思えない。もしも関空に振り替えた場合は関空から東京までの交通費はLCCだろうが新幹線だろうがエミレーツ航空は費用をおそらく出してくれない。確かに関西国際空港に17時台に到着できれば、その日のうちに「自腹」で東京に帰ることはできる。しかし、羽田空港到着時刻が22:45と遅くなってしまうものの、少なくとも追加料金なしで羽田空港まではたどり着けるので、この先行研究に反して、私はEK312便羽田空港行きへの振り替えをお勧めする。
カウンターで翌日のEK318便成田行きから当日のEK312便羽田行きへの変更の交渉をして、あっさり5時間後に出発する7/31朝8:00発のエミレーツ航空EK312便東京・羽田空港行きに振り替えてもらう。おそらく成田と羽田の位置関係を知らないので空港が変わってしまうことと、予約クラスとしてはEK318便よりも低かった(安かった)みたいで、「本当にいいの?」というような感じで聞かれたけど、それでいいんです。もちろん、エミレーツ航空の責務としては目的地まで乗客を輸送することなので、羽田空港到着が深夜になっても、エミレーツ航空から東京到着後のホテル代は出ないこともわかっていますとまでは言わないけれど。
3食昼寝つきのホテル・バウチャーの代わりに、ミールバウチャーをもらう。7/31のうちに帰れることにはなったけれど、これからドバイで5時間過ごさなければいけない。
ミールクーポンなんて使うよりも、プライオリティ・パスで利用できるマルハバ・ラウンジへ行った方がよほどまともな食事を取れると思うけれど、せっかくもらったバウチャーなんだから使ってみようかなぁ?
私はドバイ国際空港にあるマクドナルドで食べたことはないんだけど、ずっと食べてみたいメニューがあったことを思い出す。
それは、マック・アラビア。ドバイ国際空港ではマルハバ・ラウンジに行ってしまうので、ずっと気になっても、あえてお金を出してまで食べる機会がなかったメニュー。
マックのカウンターでマック・アラビアを注文すると、エミレーツ航空のミールバウチャーでは、ダブルバーガーのセットかダブルチーズバーガーのセットしか頼めないことがカウンターで発覚。エミレーツ航空ってケチだなぁ。残念ながら、初めてのマック・アラビアを食べることはできず、仕方なしにダブルチーズバーガーのセットを注文。あたり前のことだけど、ドバイでもケチャップは日本と同様に無料でもらえる。
包みを開けてみると、それはダブルチーズバーガー。想像していた通りの味。だけど、パンがパサついた感じがあって、日本で食べた方が美味しいかも。本来ならば、今ごろはエコノミーとはいえ、成田行きのエミレーツ航空EK318便のエアバスA380の中で機内食を食べている時間のはずなのに、まだドバイにいて深夜にハンバーガーを食べていることがちょっと悲しい…。
にほんブログ村
最近のコメント