2021年6月、梅雨の合間の熱海旅行(8)小田原漁港の「さかな食堂大原」で、1時間半待ちのミックスフライ定食。
東海道線普通列車は熱海駅を出る。青春18きっぷの旅で静岡方面から帰る時には必ず通るルートなんだけど、私は根府川駅あたりの高台から海が見える風景が好き。
今回の目的は、早川駅から小田原漁港まで歩いて、お昼ごはんを食べること。2年前の2019年夏に伊東に行った帰りにも同じルートを取っている。その時は魚市場食堂に行ったんだけど、その時に見つけたお店に行ってみたいと思っている。早川駅は15両編成の列車でも停車できる長いプラットフォームだけど、屋根があるところは少ない。
15両編成で乗る車両を後ろ寄りにしたら、出口の階段までプラットフォームをけっこう歩くことになる。
漁港の周囲を歩けば、干物屋さんや食堂が集まる場所にたどり着く。
この「わらべ菜魚洞」には行列ができているけど、美味しいのかなぁ?私の町歩きはいつも事前の調査が甘く、行き当たりばったりなので、実際に歩いてみて発見する情報が多い。まぁ、「事前情報」に支配されていると、私の大嫌いな「先入観」ができてしまい、「情報」以外に気がつかなくなってしまうので、町歩きは感性で勝負しているというのもあるんだけど。だけど、感性だけで勝負すると、必見スポットを見落とすなんていうミスもあったりする。
このお店は2019年夏に伊東に行った帰りに発見して、その時は魚市場食堂に行ってしまったんだけど、ものすごい行列ができていて気になっていたお店。
グルメサイトなどを見ると人気があり、かなり待つらしい。たしかに2019年に見かけたときも待っている人が多くいた。今の時間は11時半くらいなので、おなかも空いていないから1時間くらい待ってもいいし、そのつもりで来ているので、リストに名前を記入。このお店は「ふらい」が売り。
メニューを見ても、シラス丼もあるけど、基本的には定食は「ふらい」がメイン。
周辺の干物屋さんとか、外のベンチで1時間どころか1時間半ほど待って、13時すぎになると名前を呼ばれて、先に注文を聞かれる。待っている人の人数はそんなに多くないので、回転が悪いんだろうなぁ。
注文を聞かれるところまでいけば、すぐに入店できる。私はカウンター席に案内される。どうやら、並んでいる順番通りに呼ばれる様子で、新型コロナウイルス感染症の影響もあるんだと思うけど、おひとり様でも相席なしで4人テーブルに案内されることもある。そのためにお店の中ではソーシャルディスタンスが保たれている。テーブルが3つとカウンター席しかないので、カウンター席を含めて4組しか入れないので回転が悪く、運悪く、複数人でお酒を頼みながらおしゃべりする人たちが長居するとさらに回転率は悪くなる。一人客は食べ終わったらすぐに出るので、むしろ、このお店についてはお酒を飲んでおしゃべりをして長居する客が最大の敵かもしれない。1時間半も並んだ人気店なのでどんな感じかと思ったら、感じの良い接客で、普通の個人経営の食堂の感じ。
1時間半待ちで念願のミックスフライ定食が運ばれてくる。アジフライを一口食べると美味しい。
たしかにアジもホタテもエビも揚げ具合が絶妙で美味しい。並んででも食べる価値はあるような気がするし、わざわざ食べにくる価値もあると思うし、リピートはありだと思う。
ミックスフライ定食、グルメサイトで高得点であることと1時間半も待ったことで満足度にプラスされていることを差し引いても、美味しかったなぁ。待つ時間は長かったけど、食堂の滞在時間は15分くらい。食べ終わると再び歩いて早川駅に向かう。途中にある干物屋さんに立ち寄ってみる。
私はきちんとパッケージングしてあるお店より、このようにザルに載せられて売られているお店のほうが気になってしまう。
店頭に置かれている「うるめいわし」に惹かれて、お店の中に入ってみることにする。
3枚110円の「じんだみりん干」が気になってしまう。私は「まだ知らない」名前を見つけると気になってしまう。私が知らないだけだと思うけど、「じんだ」って何だろう?と興味を持ってしまう。私はわからないものをみつけると、年齢を重ねるに従って図々しくなっているので、お店の人に聞いてしまう。お店の人に「じんだ」について聞いてみると、アジの子どもで小アジ、豆アジということらしい。小アジのみりん干しなんて、ちょっと火に炙って食べたら、美味しそう。
私は気になってしまったら試してみる。「じんだみりん干」を購入し、横断歩道を渡れば早川駅。
今日の予定は、早川駅で途中下車して、お昼ごはんに「さかな食堂大原」のミックスフライ定食を食べることのみ。もう時刻は13:40くらいなので、当初の予定通り、夕方のラッシュ時間前に東京を通過したいので、早くも東京に帰ることにする。
次の列車は13:53発の高崎行き。増結車両がつかない10両編成。先頭車両に乗ろうと思って、ホームの先端で列車を待つ。
私のおみやげは、レジ袋に入った「ニューサマーオレンジ」と「じんだのみりん干」という渋めのセレクトとなっている。全部、自分が楽しむために買っており、人にあげるつもりはないし、あげる人もいない。もしも、私のセレクトした「ニューサマーオレンジ」と「じんだのみりん干し」を、こういうおみやげが好き!と喜んでくれる人がいれば、すぐにでもあなたと結婚するんだけど、残念ながら、なかなかそんな人は世の中にいない。
熱海始発なので座席は空いており、ボックス席に座る。小田急線が見えるけど、小田原駅ではなく藤沢駅。
藤沢までは電車はわりと空いているんだけど、東京に近づくにつれて座席が埋まってくる。
海を見ながら温泉に入り、美味しいものを食べるだけの小さなリゾート旅行だけど、「精神的な」健康の維持のためには「必要」な外出・移動。再び、新型コロナウイルス感染症と戦う日常生活を送るためには、たまには「新しい旅のエチケット」のルールを守った上での静かな息抜きは「不要」ではなく「必要」なんじゃないかなぁ。今回の旅行で感じたことは、オフシーズンの平日で、遅めに出発して早めに帰るという「ずらし旅」というのが最大のポイントだった気がする。「新しい旅のエチケット」を遵守し、人の密集を避ける「ずらし旅」を心がけて、自らが感染しない、他者に感染させない旅を徹底すれば、安全に旅行することは90%以上の人は可能だと思っている。しかし、「息抜き」を「羽目を外す」と考えて、旅行に出てお酒を飲んで仲間と一緒に騒いだりする、ルールを守らない残り10%の人たちが間違いなく存在するから、旅行もお酒も間違いなく安全とは言い切れないところが難しい。(2021年6月、梅雨の合間の熱海旅行 おしまい)
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