2020年3月、春のイタリア・シチリア紀行 5日目(1)シチリアでの最終日、ホテル・デル・チェントロで最後の朝ごはんを食べてパレルモ中央駅へ向かう。
2020年3月7日、土曜日。イタリア時間の前日である2020年3月6日の夕方にすでに把握していたけれど、2020年3月6日に日本の海外安全ホームページのイタリアに関する感染症危険情報が更新されている。2020年3月5日の新型コロナウイルス感染症対策本部の会議で決定された「14日間の待機」に関係して、イタリアについても「14日間の待機」の対象にするために感染症危険情報をイタリア全土にレベル2の「渡航延期勧告」が出てもおかしくない状況だったので、シチリア州にも何らかの勧告や注意情報が出ることは覚悟していたんだけど、ロンバルディア州についてレベル3の「渡航中止勧告」に引き上げるのみで、ロンバルディア州、ヴェネト州、エミリア=ロマーナ州の北部3州以外は、なんら注意情報もない真っ白な状況を継続している。
これは帰国後に確認した資料だけど、日本のマスメディアが「全体化」して、「イタリア(全土)は危険!」というメッセージを出しているにもかかわらず、海外安全ホームページの詳細を読むと外務省はアメリカCDCなどの情勢も見極めつつ、客観的にデータや情勢を分析していることがわかる。
今日2020年3月7日は、パレルモ・ファルコーネ・ボルセリーノ空港“Aeroporto di Palermo Falcone e Borsellino”を朝11:20発のアリタリア航空AZ1784便に乗り、東京に向かうだけなので市中を歩くことはない。今回の海外安全ホームページの発表が現地で得ることのできる最後の情報であり、「春のイタリア・シチリア紀行」では、滞在期間中、シチリア州や経由地であるローマのあるラツィオ州では、外務省・海外安全ホームページによる渡航延期勧告どころか、注意情報の対象にもならず、最後まで真っ白な状況のままであることが確定。イタリア「全土」と「全体化」したマスメディアの情報を鵜呑みにした人たちからしてみれば、「北部でも南部でもイタリアはイタリアでしょ?こんな時にイタリアに行くなんてけしからん!」という主観的な感情を抱かれると思うけど、滞在期間中の最後の最後まで、ずっと何も制限のない真っ白な地域を旅行しており、私はルールを無視して旅行を強行したわけではないことが確定する。でも、私の本心では「けしからん!」の人たち、「世間体」へのアピールというよりも、自分自身が最後まで制限のない真っ白な地域のまま帰国できることに一番ホッとしている気がする。
このマップ上の陽性者数を示す赤い丸と外務省・海外安全ホームページの渡航中止勧告や渡航延期勧告の地域が重なっていることがわかる。当時の日本のマスメディアは、「イタリア(全土)は危険!」と報道し、また「全体化」したバイアスのかかった報道を鵜呑みにすることによって、日本の当時の「世間体」も「イタリア(全土)は危険!」というバイアスがかかっていると思うけど、2020年3月6日の時点でも、感染者はロンバルディア州など北部3州に集中していることがわかる。その反面、北アペニン山脈よりも南側では、ゼロではないものの感染爆発という状況ではないことがわかる。
前日2020年3月6日時点での累計陽性者数
シチリア州(人口約500万人)陽性者数24名
ラツィオ州(人口約570万人)陽性者数54名
北海道(人口約530万人)陽性者数90名
もう今日は帰国するだけだから必要ないとは思うけど、日課となっている前日2020年3月6日のイタリアの州別陽性者をチェックする。今回の旅行では「安全な旅行」を達成するためにイタリアの州別陽性者数を毎日チェックするのが日課となっている。マスメディアによる「全体化」された情報によってイタリア(全土)は危険というバイアスがかかった「世間体」に対して、私はルール違反をして旅行しているわけではありませんよとアピールしたいという気持ちもあるんだけど、どちらかというと、オンタイムの私は、未知のウイルスである新型コロナウイルス感染症を私自身が恐れていた。陽性者数を比較することで日本の北海道よりもシチリア州の方が安全なんだと自分自身で信じたかった。他者である「世間体」に対して言い訳をするというよりは、新型コロナウイルス感染症に対する恐怖心が拭えない自分自身を納得させるために毎日のように客観的なデータとしての陽性者数をチェックしていた。
イタリア全土の「累計」陽性者は3,858名から4,636名と1日で778名ほど増加している。そのうちのロンバルディア州では昨日の2,250名から2,612名と362名の増加となっているけど、昨日よりも1日あたりの陽性者は少ない。シチリア州については、前日の18名から6名増えて累計24名。経由地であるローマのあるラツィオ州は前日の44名から10名増えて、累計54名。北海道は、前日よりも7名増えて、累計90名。シチリア州の累計感染者数が北海道の累計感染者数よりも上回ったら、旅行途中でも繰り上げて帰国するという自主ルールにしていたんだけど、最終的な結果は、シチリア州24名に対して北海道は90名と、シチリア州よりも北海道の方が3倍以上も陽性者が多い結果となる。もっとも、2022年1月から2月にかけての日本におけるオミクロン株による第6波以降は、なにしろ日本全国で1日あたり10万人以上、東京だけでも1日あたり2万人を超える陽性者を出すことになるので、今となってはシチリア州も北海道も気にするほどの人数ではないように感じてしまうんだけど、当時の日本のマスメディアの報道では新型コロナウイルス感染症の拡大が危機的な状況として報道されていたし、もちろん私自身もその影響を強く受けており、オンタイムの状況では未知のウイルスである新型コロナウイルス感染症に対しての恐怖心と緊張感をずっと持ち続けている。
テレビをつけてニュースを確認するけど、そもそもイタリア語は理解できないので詳細はわからないけど、日本で生活しているよりも、危機的な状況であるという感じはしない。
今日はいつもの軍服姿の気象予報士じゃない。チャンネルが違うのかなぁ?それとも土曜日だからお休みなのかなぁ?そして、今日もパレルモの天気予報は、晴れマークと曇りマークと雨マークが混在しているので、不安定な天気ということなのだろう。
階段を降りて、ホテルの朝食レストランに最後の朝食を食べに向かう。
今日は2泊目なので、ホテル・デル・チェントロ“Hotel del Centro”の朝ごはんの内容はだいたいわかっている。イタリアでは普通のコンチネンタル・ブレックファーストなんだけど、私はイタリアのホテルで食べる朝ごはんって、けっこう好き。
イタリアで食べる、クリームやヌテラの入ったクロワッサン(コルネット)は、甘いんだけど、私はけっこう好き。奥にはカンノーロもある。そう、イタリアのホテルの朝ごはんではけっこう甘めのパンやお菓子があるんだけど、それが好き。
あとはシリアルと缶詰のフルーツポンチがあるくらいなので、このホテルの朝ごはんは普通かなぁ?それでも、私には十分に幸せだけど。
ヨーロッパで食べるヨーグルトはコクがあるような気がして、私は大好き。
宿泊するホテルでの最初の朝ごはんは、いろいろ試してみたいと思って大盛りになってしまうんだけど、2日目になると、控えめになってくる。
私の定番朝ごはんは、甘くないパンでハムとチーズを挟んでサンドイッチを作る。
イタリアの朝ごはんはカプチーノ。カプチーノを飲んでゆったり気分。イタリアのホテルの朝食ではケーキが置いてあるところもあるけれど、基本的なものだけでも十分に幸せ。ヨーロッパのホテルの普通の朝ごはんが、このあと2年以上も食べることができなくなるとは想像もできなかったなぁ。
そして、今日もヨーグルトをプレーンとフルーツの2つ食べることにする。
昨日も書いた気がするけど、私はヨーロッパで食べるフルーツヨーグルトの蓋についたところを食べるのが好き。
部屋に戻って、天気を確認する。天気予報では、今日は晴れマークと曇りマークと雨マークが混在している日。とりあえず雲は多い感じだけど、雨は降っていない。パレルモ中央駅まで雨に降られなければ、あとは歩くことはないから、もう少しだけこの天気のままでいてくれればいい。
ヨーロッパのホテルでありがちな後づけの狭いエレベータに乗る。
さようなら、ホテル・デル・チェントロ。ローマ通りを歩いてパレルモ中央駅へ向かう。
すぐにパレルモ中央駅に到着。さようなら、パレルモの町。「春のシチリア紀行」は、あとは日本に向けて安全に帰国するのみ。今回の「春のシチリア紀行」は、旅が終わることが本当に名残惜しい。
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