2020年3月、春のイタリア・シチリア紀行 4日目(4)パレルモのノルマン王宮のパラティーナ礼拝堂“Cappella Palatina”へ。
パラティーナ礼拝堂“Cappella Palatina”の外側の回廊沿いの壁面には、見事な装飾がされている。部屋に入る前から、装飾に魅了される。ノルマン王宮については、団体パッケージツアーでガイドさんから話を聞いた方がいいかもしれないなぁ。というのも、現在でもシチリア州議会として使われている建物であり、装飾についても12世紀のノルマン時代のものもあるけど、シチリア島の支配者の変遷とともに、増築や改装が行われており、いつの時代のものかがパッと見ただけではよくわからない。
どうやら、パラティーナ礼拝堂の入口の装飾は、1800年になってからの装飾。1800年と言っても十分に歴史的な価値はあると思うけど。
天井を見上げると、幾何学模様の装飾があり、これはアラブ文化の影響かもしれないなぁ。私がキリスト教文化とアラブ文化の交差点に興味を持ち始めたのは、スペインのアンダルシア地方のセビリア、コルドバやグラナダを訪れたのがきっかけ。今回の「春のシチリア紀行」でも、私はキリスト教文化に埋もれているアラブ文化の影響を探している気がする。
礼拝堂全体が黄金色に輝いている。もちろん、私がまず気がついたのは、特徴のある天井の装飾。この天井は、アラブ文化の影響に間違いない。
スペイン・アンダルシア地方のグラナダにあるアルハンブラ宮殿“Alhambra”を訪れたときに、天井の装飾の美しさに魅了された。規則的であるのに複雑で、天井をしばらく見続けてしまう。
シラクーサのドゥオーモでギリシャ神殿の柱がそのまま使われているのを見たことがきっかけだと思うけど、今回の「シチリア紀行」で私が最も気になるのは身廊を支える石の柱かもしれないなぁ。たぶん、ギリシャ神殿とは関係がなく、ノルマン王朝時代の建築様式なんだと思うけど。
床面のモザイクは、アラブ文化とビザンティン文化の融合したコズマーティ様式“Cosmati”と呼ばれるもので、パラティーナ礼拝堂には、アラブ文化とキリスト教文化が影響を受けあって、融合したものなんだろうなぁ。
昨日訪れた、チェファル大聖堂の金色のモザイク画は、初代シチリア王のルッジェーロ2世がわざわざコンスタンティノープル(イスタンブール)から、モザイク職人を呼び寄せて作られたというし、この時代の技術を結集して作らせたんだろうなぁ。
壁面にある装飾もおもしろい。この造形は何をイメージしているのだろう?
短い距離なのにだいぶ寄り道をして、ようやく黄金色のモザイクが輝く主祭壇に向き合う。
クーポラを見上げる。黄金色に輝く細かなモザイクにしばらく見入ってしまう。私はモザイク画がけっこう好きで、今回のディスティネーション選定にあたって「春のシチリア紀行」と最終選考まで残った「ラヴェンナ」も、モザイク画を見に行きたいと思っていたから。結果的には、ラヴェンナはエミリア=ロマーニャ州なので、イタリア北部3州に含まれているので、もしもラヴェンナを選択していたら、今回の旅行は新型コロナウイルスの影響で間違いなく中止することになっていただろう。
主祭壇を振り返ると、再びアラブ文化の影響を受けた天井の装飾が気になってしまう。
モザイクの主祭壇もすばらしいけれど、側廊の装飾もおもしろい。
後方にある王座はスペイン(アラゴン)占領時代のもので、王座の上には「聖ペトロと聖パウロを従えた王座のキリスト」のモザイク画。
拝廊“Nartece”の天井は質素なつくり。今回の「春のシチリア紀行」で、最も訪れたかった場所は、このパレルモのパラティーナ礼拝堂。シチリア島を訪れないと見ることができないアラブ文化とキリスト教文化が融合した独特のノルマン・アラブ様式を感じ取ることができて、おもしろい。
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