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2021年10月15日 (金)

2020年3月、春のイタリア・シチリア紀行 プロローグ(後編)出発当日まで中止を考えていた春のシチリア紀行。

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2020年3月1日(出発2日前)


イタリア、新型コロナの感染1000人超に 1日で3割増
米は渡航中止勧告、観光に打撃

【ジュネーブ=細川倫太郎】イタリアで新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。2月29日に感染者は1000人を超え、死者は29人に達した。イタリアから国外に感染が広がる事例も相次ぐ。米国はイタリアの感染拡大地域への渡航中止を勧告するなど、各国は警戒感を強めている。観光業を中心にイタリア経済への打撃は避けられない。

イタリア市民保護局によると、感染者数は1049人と前日から約3割増えた。このうち約6割は、経済都市ミラノがある北部ロンバルディア州で発生している。イタリア政府は感染が集中する北部の11の自治体を封鎖したままだ。周辺では軍や警察が検問にあたるなど厳戒態勢を敷く。

ただウイルスの封じ込めは難しく、イタリアに滞在していた人が他国で感染が判明するケースが続出している。2月28日にナイジェリアやリトアニアで出た初の感染者は、いずれもイタリアから帰国した人だった。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長はイタリア、韓国、イランの3カ国の大規模な感染を「深刻な懸念」としている。

トランプ米政権は2月29日、米国民にイタリアと韓国の感染拡大地域への渡航中止を勧告した。イタリアを訪れる米国人観光客は年間560万人を超え、ドイツ人観光客に次いで2番目に多い。観光産業はイタリアの国内総生産(GDP)の約1割を占める。既にミラノなどではホテルや飲食店の予約が大きく減っており、米国の措置はさらなる痛手となる。

感染が多いイタリア北部には自動車やファッション産業が集中し、同国経済の屋台骨となっている。自動車部品大手のMTAはロンバルディア州の工場の操業を停止中で、欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)など自動車大手への生産に影響が出る可能性がある。

イタリアの2020年1~3月期の実質GDPは2四半期連続でマイナスになるとの声は多く、景気後退に陥る懸念が強まっている。米欧では2四半期連続のマイナス成長を景気後退(テクニカル・リセッション)とみなすことが多い。ユーロ圏で3番目に大きいイタリア経済が一段と冷え込めば、ドイツなど周辺国の景気にも悪影響を及ぼす。

イタリアの感染者の急増や、周辺国にも感染が広がっていることを受け、欧州連合(EU)は6日に緊急の保健相会合を開いて、今後の対応を協議する。現時点ではEUは加盟国間の国境を閉鎖しない方針を保っている。欧州の大半の国が相互に出入国審査を免除する「シェンゲン協定」が一時停止になるような事態に発展すれば、人やモノの行き来は一段と困難になる。
引用:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56247440R00C20A3I00000/
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2020年3月1日の日本経済新聞の細川倫太郎記者による記事を確認すればわかる通り、日本の大手新聞社はイタリア「北部」ではなく、「全体化」して「イタリア」と表記している。この記事だけを読むと、イタリア「全土」が危機的状況であると多くの日本人は感じるだろう。むしろ、ミラノから1,000 キロ離れたシチリア州よりも、ミラノからは直線距離で250キロと近い、細川倫太郎記者のいるジュネーブの方が感染拡大という意味では「すでに」危険ではないかと思うんだけど、新型コロナウイルス感染症のウイルスは頭が良くて、人間が考えた「概念」である「国境」をわかっているのだろうか。しかも「概念」としての「国境」はあっても、イタリア、スイス、そしてフランスもシェンゲン協定加盟国なので、人の行き来は自由だし、ましてやアルプスはスキーシーズン。当然ウイルスの行き来も自由。細川倫太郎記者の記事通り、シェンゲン協定を今から「一時停止」したとしてもスキーシーズンのバカンス客によって「すでに」スイスやフランスに新型コロナウイルス感染症のウイルスは侵入してしまっているだろう。マスメディアによってイタリアにレッテルを貼ることで、イタリア「全土」は危険だけど、ロンバルディア州からの距離が近いにも関わらずスイスやフランスは「まだ」大丈夫と安易な判断をした日本人旅行者もいたに違いない。おそらく、私だってシチリア島がイタリアだからこそ今回の旅行に際しては情勢をものすごく調べているし、実際に現地に行ってもかなり慎重に行動していたけど、もしもフランス旅行だったら「イタリアは危険だけど、フランスはまだ大丈夫」なんて思って、ここまで感染症に警戒せずに油断してしまったかもしれない。

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出発2日前の2020年3月1日の日曜日には、日本の外務省も「海外安全ホームページ」を更新し、イタリア北部3州(ロンバルディア州、ヴェネト州、エミリア=ロマーニャ州)について、レベル2(不要不急の渡航は止めてください)に引き上げる。タイトルの通り、この時点でも「イタリア北部3州に対する感染症危険情報の発出(レベル引き上げ)」とあるように、あくまで「イタリア北部3州」が対象である。「詳細」の文章の内容を確認するとアメリカCDCのイタリア「全土」に対する旅行延期勧告を把握した上での外務省独自の判断であることがわかる。旅行会社の団体パッケージツアー催行判断の客観的な基準は外務省による「海外安全ホームページ」なので、このレベル2の渡航延期勧告が発令された以降はミラノやヴェネツィアが含まれる旅行会社の団体パッケージツアーは催行中止となる。例年だとこの時期は卒業旅行の学生が多い時期で、初めての海外旅行として、そして卒業旅行として、ミラノやヴェネツィアを含むイタリア周遊旅行は人気のコース。

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2020/2/28にイタリア全土に渡航延期勧告を出したアメリカCDCの発表を把握した上で、日本の外務省は「海外安全ホームページ」において、3/1の時点では北部3州以外の地域にはレベル1の「十分注意してください」の注意喚起勧告すら出しておらず、あいかわらずフィレンツェやローマを含めて、イタリア中部や南部はなにも制限のない真っ白な状況。そのため、HISやJTBや阪急交通社等の旅行会社による団体パッケージツアーも、3月1日以降は卒業旅行やパッケージツアーにありがちなイタリアのハイライトの観光地だけを巡るツアーだとレベル2の範囲であるミラノやヴェネツィアが旅程に含まれるために催行中止となるだろうけど、フィレンツェ、ローマやナポリ、カプリ島、アルベロベッロやマテーラなどの南イタリア、そしてマイナーなのであまりないだろうけどシチリア島のツアーは催行されただろう。実際に旅行中の2020年3月6日にパレルモのノルマン王宮やマッシモ劇場前で日本の団体パッケージツアーを目撃しているし、2020年3月7日の帰国時にローマ・フーミチーノ空港で、ローマから成田に向かうアリタリア航空に搭乗する大学生の卒業旅行が中心と思われる団体ツアー客を目撃している。

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そんな中でターキッシュエアラインズは2020年3月1日から10日まで、トルコからイタリアへのすべてのフライトを一時的に運休する決定を出す(その後、さらに延長)。不思議なのは日本語のホームページではその情報にたどり着けない。

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国をトルコに変更し、言語を英語にするとメッセージが表示される。

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ターキッシュエアラインズはトルコからイタリアへのすべてのフライトがキャンセルとなることがわかる。

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同時にターキッシュエアラインズはイタリアへのフライトについてキャンセル手数料無料(全額返金)の通知を出す。今回の旅行で、私が航空券を手配するときに、もしもアリタリア航空ではなくターキッシュエアラインズのフライトを選択していれば、イスタンブール・カターニア線も運休となるので出発2日前の2020年3月1日に自動的に今回の「春のシチリア紀行」は中止になっていた。その意味では今回の旅行でアリタリア航空を選択したのは「悪運」が強い。

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アリタリア航空のホームページにはなんら注意情報もない。「北部3州」以外のローマを含む南イタリア、シチリア島については外務省の「海外安全ホームページ」に注意情報すら出ていないし、陽性者のデータからも、十分に注意すれば安全が確保できると分析はしていても、イタリア北部だけではなくイタリア中部や南部についても、いつ飛び火するかわからないような、きな臭さを感じるようになってきた。フライトキャンセルになれば、今回のシチリア旅行については中止でもいいかなぁ?と出発2日前の3月1日に思い始める。しかし、アリタリア航空は、出発2日前の3月1日の時点でもなんらアナウンスを出さない。私がアリタリア航空を選択してしまったのが、運がいいのか悪いのかよくわからない。ある意味では「悪運」が強く、このままでは普通にアリタリア航空で出発できてしまう。

2020年3月1日の時点でのイタリア全土の新型コロナウイルス感染症の陽性者数は1日で一気に566名増えて累計1,577名。たった1日でイタリア全体で500名の陽性者が増えたとしても、2021年10月の今となっては驚かない数字であり、のちのイタリアの感染状況からみても、まだまだこの時点のイタリアの陽性者数は少ないんだけど、オンタイムではそんなことは知らない。わずか1日で陽性者数が一気に1.5倍になったわけで、もちろん私もオンタイムでは、ワクチンも治療方法も確立していない「未知のウイルス」に対して驚異を感じて不安になる。出発となる3/3火曜日は2日後に迫っているんだけど、イタリア北部から中部、南部に飛び火しそうな、きな臭さを感じており、土壇場でキャンセルすべきかという葛藤に陥ってしまう。ディスティネーション選択時は「新型コロナウイルス感染症からの回避」を目的として、アジアから遠く離れたシチリア島でのんびり過ごすつもりが、かえって旅行に行くことがストレスになっている。日本の外務省が「海外安全ホームページ」でイタリア全土にレベル2の渡航延期勧告を出してくれれば、国としての命令であるので、当然ながら法律や命令に従ってキャンセルする決心ができるんだけど、「海外安全ホームページ」では3/1にイタリア北部3州(ロンバルディア州、ヴェネト州、エミリア=ロマーニャ州)についてのみレベル2(不要不急の渡航は止めてください)の通知が出ている以外は真っ白な状況で、レベル1の注意情報すらないところが難しい。

2020年3月1日時点での累計陽性者数
シチリア州(人口約500万人)陽性者数7名
北海道(人口約530万人)陽性者数72名

たしかに、陽性者数のデータで判断すれば、この時点でもデータ的にはシチリア州(シチリア島)では人口約500万人に対して累計7名の陽性者しかおらずシチリア州内での感染拡大の兆候は見られない。3/1の時点で、シチリア州と同じような人口規模である、人口約530万人の北海道の陽性者は累計72名と10倍の人数がいるので、データ的にはシチリア州は北海道よりも安全と言える。今回の旅程はシチリア島のみで完結している。ローマ乗り継ぎでカターニアまで飛んで、パレルモからローマ経由で帰るというシチリア島しか行かない旅程であり、イタリア北部の感染拡大地域には一切立ち寄らないので、旅行中に陽性者に遭遇する確率はデータ的には限りなく少ない。むしろ、データ的には北海道のほうが10倍多い。「新型コロナウイルス感染症からの回避」のために、旅程を大都市ではないシチリア島に限定する作戦が、「悪運」が強く、微妙に成功してしまっている。私は運がいいのか悪いのか本当によくわからない。

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2020年3月2日(出発前日)

スイス インターナショナル エアラインズ、大阪(関西)=チューリッヒ線を新規就航
2020年3月2日 16:40
発表日:2020年3月2日

スイス インターナショナル エアラインズ(以下、SWISS)は、2020年3月1日より、エアバスA340-300型機にて大阪=チューリッヒ線の運航を開始し、本日3月2日午前8時27分にチューリッヒからの第一便が関西国際空港に到着しました。また、同日午前10時56分に関西国際空港からの第一便がチューリッヒに向けて離陸いたしました。

今回の大阪=チューリッヒ線は、SWISSとしては初めての就航で、大阪は東京に続き、日本で2番目の就航都市になり、チューリッヒと大阪(関西)とを週5便の直行便で繋ぎます。エアバスA340-300型機で運航され、3クラス計223席(ファースト8席、ビジネス47席、エコノミー168席)を備えています。

今回の就航について、ルフトハンザグループ日本・韓国支社長ドナルド・ブンケンブルクは、次のように述べています。「本日、スイスインターナショナル エアラインズの新路線を関西国際空港に就航することができ、大変嬉しく思っています。ルフトハンザ グループにとって、日本は重要なマーケットです。スイスインターナショナル エアラインズは、関西路線を運航するヨーロッパのエアラインの中で、唯一ファーストクラスをご提供するなど、世界的に認められたスイス特有の『おもてなし』をご提供するエアラインです。ぜひレジャーに、ビジネスにご搭乗いただければと思います」。

今回の就航により、SWISSの日本とチューリッヒ間のフライトは、成田国際空港発着のデイリー運航に加え、週計12便の運航となります。また、ルフトハンザ グループ全体(SWISS、ルフトハンザ ドイツ航空、オーストリア航空)では、日本-ヨーロッパ間の路線を週45便(2020年夏期スケジュール)ご提供することになります。
引用:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP530059_02032020000000/
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日本経済新聞のおもしろいところは、イタリアと国境を接するスイスに関しては、人間が考えた「概念」である「国境」をウイルスはまたがないと考えているようで、「全体化」してイタリア「全土」の危機を報じた翌日の2020年3月2日には、とても平和的な記事を出している。しかも、文体としてはですます調であり、スイス・インターナショナル・エアラインズから宣伝のために原稿をもらったような不思議な文章。日本経済新聞社はイタリアについては「全体化」して感染拡大による危機的状況を報じ、イタリア北部に隣接するスイスについては、この時「すでに」スキーバカンス客等の人の行き来や、生活圏としてイタリア・ロンバルディア州と隣接するスイス・ティチーノ州あたりには人の行き来によって新型コロナウイルス感染症のウイルスは侵入していたと思うけど、細川倫太郎記者のいるスイスは安全と考えているらしく、エアバスA340-300型機でのチューリッヒ・関空(大阪)線新規就航を宣伝する内容というアンバランスさがおもしろい。

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そんな祝福すべきスイス・インターナショナル・エアラインズのチューリッヒ・関空(大阪)線就航に対して、アリタリア航空もようやくホームページ最上部に新型コロナウイルス感染症に関する「アリタリアからのお知らせ」を出す。残念ながら、まさかの出発前日に今回のシチリア旅行はアリタリア航空のフライトキャンセルにより、中止となってしまうのか?

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しかし、イタリア「北部」のフライトは日程変更が無料できますよという案内程度で、シチリア等を含めてイタリア南部については対象外で関係ない。

2020年3月3日(出発当日)
旅行に行くか、中止すべきかの最終的な判断は2020年3月3日の出発当日まで決められない。シチリア島では北部からの流入者に散発的に陽性者が発覚している様子はあるものの、おそらく、2020年2月26日のBBCの図にある防衛ラインよりもイタリア中部、イタリア南部の地域は行動制限もなく今でも普通に生活できているものと思われる。出発当日である2020年3月3日の新型コロナウイルス感染症の状況によっては、成田空港に行ってからでも旅行を中止する覚悟だった。自己都合の当日の土壇場キャンセルなので航空券代金13万円を捨てる覚悟だった。

出発前日の2020年3月2日時点での累計陽性者数
シチリア州(人口約500万人)陽性者数7名
ラツィオ州(人口約570万人)陽性者数7名
北海道(人口約530万人)陽性者数77名

2020年3月3日、日本時間の出発日に確認できるイタリアのデータは前日2020年3月2日のもの。シチリア州の陽性者数は7名と前日3/1から増加していない。人口約500万人のシチリア州の「累計」陽性者は7名であり、シチリア島全体で7名しかいないということ。これは人口比で0.00014%となり、人口10万人あたり0.14人の割合である。シチリア島全体で陽性者は累計で7名、100万人と接触しても陽性者は1.4人ということであり、確率的に陽性者と接触する可能性はゼロではないものの限りなく少ない。100万分の1.4という確率は、宝くじをたった1枚だけ買って、宝くじによっては高額当選するくらいの確率である。シチリア州と同じような人口規模の北海道の累計陽性者数は77名とシチリア州よりも11倍多い。経由地だけどローマ・フーミチーノ空港しか寄らない首都ローマのあるラツィオ州の陽性者は7名であり、ラツィオ州は北海道よりも人口が若干多いけど、ラツィオ州よりも北海道は陽性者が11倍多い。やはり、ここ数日間の情報を集める限りでは感染爆発の中心はイタリア北部であり、北部3州以外はまだ影響はかなり少ないのではないかという分析ができている。

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再掲するけど、2020年3月1日発令の外務省の「海外安全ホームページ」の地図を見ても「イタリア北部3州」以外はいまだに注意情報もない真っ白の状況である。そして、レベル2渡航延期勧告が出ている紫色に塗られたイタリア北部3州と南端にあるシチリア州との位置関係もぜひみてほしい。ロンバルディア州の中心都市であるミラノからカターニアまでの距離は直線距離で約1,000キロあり、ミラノからパリまでは約640キロなので、パリよりも1.5倍ほど遠い。日本経済新聞社の細川倫太郎記者のいるジュネーブまではミラノからはアルプス山脈を挟むものの約250キロなので、ジュネーブよりもカターニアは4倍も遠い。そして、アルプスに隔てられているけど陸続きのフランスやスイスとは異なり、シチリア島は海で隔てられている。

旅行会社の団体パッケージツアーの判断基準と同様に、最終的には私は日本の外務省の「海外安全ホームページ」の指針を根拠として判断することにする。外務省(日本政府)による注意情報、渡航延期勧告、渡航自粛勧告を無視して出発するわけではなく、旅行会社と同様に客観的に外務省(日本政府)「海外安全ホームページ」による指針、指示に従う。意図的に世間に不安をあおったのかどうかはわからないけど、イタリア「全土」と「全体化」したマスメディアの情報を鵜呑みにした人たちからしてみれば、「北部でも南部でもイタリアはイタリアでしょ?こんな時にイタリアに行くなんてけしからん!」という主観的な感情を抱かれると思うけど、あくまで、私はルールを無視して強行するわけではない。

さらに、私の場合は弾丸旅行であり、そもそも旅程が短いことから状況が急激に悪化したとしても逃げ切れると判断する。個人旅行で、なおかつ「ひとり旅」なので、フットワークが良いのもメリットで「ひとり旅」だったら現地で帰国日を繰り上げて帰国を早める交渉をすることだってできる。もしも、旅行中に「海外安全ホームページ」によりシチリア州にレベル2の渡航延期勧告が出た場合と、自主的な避難の指標としてシチリア州の陽性者数が同規模の人口である北海道の陽性者数を超えることになったら、その時点で帰国を繰り上げることにする。国境や都道府県境という「概念」を大切にする人からの「海外旅行なんてけしからん」という批判を避けるために、国内旅行の北海道の陽性者数よりも海外旅行のシチリア州の陽性者数が上回り、データ的に危険であると判断される状況になれば、すぐに帰国することとする。出発前の現時点ではシチリア州で7名の陽性者数だけど、この数日間でシチリア州と同規模の人口である北海道並みの77名程度まで上昇する可能性を考えても陽性者は10万人あたり約1.5名であり、10万人に1.5人の陽性者と接触する可能性は限りなく少ない。宝くじで例えれば、宝くじを10枚購入して、宝くじによっては高額当選するくらいの確率である。経由地であり、空港しか立ち寄らないローマのあるラツィオ州も7名と陽性者数は少ない。今回の場合は6日間だけど、いつものように弾丸旅行で旅行日程が短く、現地滞在時間が短いので、たとえ感染がイタリア全土に拡大しはじめても感染爆発が始まる前に十分に逃げ切れると判断し、最終的には当日の上野駅で、成田空港へ向かうスカイライナーのライナー券を買った時点で予定通り出発する決断をする。

そもそもは今回の旅行計画時の2020年2月中旬の時点で私が考えていたことは、こんなに複雑な状況ではなく、ただ新型コロナウイルス感染症の流行が懸念される「日本からの避難」をして、新型コロナウイルス感染症の流行地から遠く離れた場所でシチリア島の春を感じてのんびり過ごすというつもりだったのに、なんだか出発前から複雑な旅行になってしまったなぁ。

2021年秋の今になって当時を振り返って考えると、今よりもワクチンもなければ治療法も確立していない「未知のウイルス」に対する恐怖心が私も強かったこともあり、オンタイムの状況では私は人口約500万人のシチリア州で累計7名の陽性者がいることに対してものすごい不安を感じていた。500万人中累計7名の陽性者に巡り会う確率を不安に感じていた。100万分の1.4の確率は、宝くじをたった1枚だけ購入して高額当選するくらいの確率なので、客観的には遭遇する可能性は限りなく少ないはずなのに不安を強く感じていた。冷静に考えれば、宝くじをたった1枚だけ買って、1,000万円の賞金が高い確率で当たるとは思わないはずなのに。そう、データ的には安全なはずなのに不安感をぬぐえない。この旅行記をアップする1年半後の2021年10月に当時のことを振り返ってみれば、データ的には2020年3月2日時点でのシチリア州の人口500万人に対して「累計」陽性者がたった7名という状況は、あとから振り返れば限りなく少ないし、オンタイムの時点で比較対象としていた北海道だって、あとから振り返れば限りなく少ない。そして、その後のイタリアの感染拡大状況からみても、今回の旅行期間中のシチリア州はまだ感染爆発の状況ではないことは後になってからわかるんだけど、実際のオンタイムの状況では、客観的な情報収集をしながらも、日本のマスコミが「全体化」してあおった「イタリア(全土)は危険」というバイアスの影響を私も受けてしまい、「未知のウイルス」に対する恐怖心を強く感じてしまう。その恐怖心を隠すために、オンタイムの私は、データを集めて、客観的に、そして理性的に状況を判断しようとするんだけど、本心では「未知のウイルス」に対する恐怖心を強く持っており、本当に出発ギリギリまで悩んでいた。やっぱり、どんなにデータでごまかそうとしても、マスメディアによる「あおり」があったにせよ、まだワクチンもなければ治療方法も確立されていない、目に見えない「未知のウイルス」の恐ろしさを私は強く感じていた。最終的には客観的な分析では、安全を確保することができると判断して出発するという決断をした反面、やっぱり本心では恐怖心は完全にはぬぐえない。いよいよ次回から旅行記本編が始まるんだけど、2021年秋の今となってはかなり大げさかもしれないけれど、旅行記本編でも、オンタイムで感じた、ワクチンもなければ治療法も確立していない「未知のウイルス」である新型コロナウイルス感染症に対する恐怖感や危機感、不安感を引き続き伝えていくこととする。

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