2020夏の新しい旅行スタイルは伊豆・稲取銀水荘で温泉旅館巣ごもり旅(1)白浜大浜海水浴場でのんびり過ごす。
2020年8月3日、月曜日。西湘バイパス西湘パーキングエリア。2019年10月の台風被害により、このパーキングエリアは商業施設が閉鎖中で仮設のトイレしかない。2020年夏の私の「新しい旅行スタイル」は、不特定多数の人と接触しないドライブ旅行での一人旅。当然ながら一人旅なので同乗者はいないために、移動による感染症の感染を防ぐことができる。そして、不特定多数の人と接触する商業施設のある大規模サービスエリアには立ち寄らない。自宅を出発して、可能な限りノンストップで、不特定多数の人と接することなく、目的地に向かう。感染症に配慮すると、人気のないトイレだけしかない工事中のパーキングエリアの方がいい。
熱海に入り、伊豆半島の東海岸を南下する。だけど、ドライブ旅行での一人旅を旅行記にするのは難しいかも。私は移動も旅行と考えているので、旅行記では目的地に向かうまでの移動を表現できるようにしたいんだけど、ドライブをしながら写真を撮るのは一人旅だと難しい。赤信号で完全に停車している時しか写真を撮ることができないので、ドライブ旅行だとドライブ中に感じる風景を伝えられない。本当は走行中に見える風景こそ、旅を感じられる美しい風景なんだけれど、残念ながら写真に撮ることができないし、ドライブレコーダーを設置して、写真を起こすことは可能かもしれないけど、それも面倒くさい。うーん、ドライブ旅行の楽しさを伝えるのって難しい。
目的地である白浜大浜海水浴場に到着。なお、2020年8月3日時点での静岡県新型コロナウイルス警戒レベルは、警戒レベル4(県内警戒、県外警戒)。東京都民は「訪問の自粛をお願いします」だけど、神奈川県や埼玉県民については、静岡県に訪問の際は移動に際しての交通手段や移動の際の「新しい生活様式」に基づく行動の徹底に配慮した上で、「訪問の際には特に慎重な行動をお願いします」と自粛要請までは出ていない。
白浜大浜海水浴場は8月1日より公式オープンしている。入場時には体温測定が行われ、発熱がない人に関しては、リングが渡される。白浜大浜海水浴場は、新型コロナウイルス感染症対策が取られており、そして、観光客も検温に協力し「新しい生活様式」または「新しい旅のエチケット」を守っている。
8月3日の白浜大浜海水浴場は、平日ということもあり空いている。ソーシャルディスタンスに配慮するどころか、十分に人との間隔を確保することができる。
ビーチにはテントやサンシェード、タープを設置する人のためのマスが張られており、グループが密集しないように配慮されている。それでも、空いているマスが目立つ。干潮の時間だったらしく、潮が満ちてくれば海に沈んでしまうのだと思うけど、マスが張られていないビーチにはほとんど誰もおらず、十分すぎるくらいソーシャルディスタンスを確保できる。
潮が満ちてくるまで滞在するつもりはないので、満潮時には海になってしまう、海から近いビーチにレジャーシートを広げる。見渡す限り、私の周辺の半径30メートルの範囲、いや50メートル以上あるかもしれないけど、周囲には誰もいない。
波打ち際に行っても、人影はまばら。実際はソーシャルディスタンスが十分に確保できる状況でも「海水浴に行くなんてけしからん」と「概念」で考える人がいるに違いない。だけど、新宿や渋谷、銀座、浅草、原宿などの大都市の繁華街に「買い物」を大義名分にして家族や友人と出かけることや会食をすること、大都市近郊のショッピングセンターに家族や友人と出かけることと比較して、ソーシャルディスタンスが十分に取れる状態の平日の空いているビーチとはどちらが感染リスクが高いのだろう?そもそも、「けしからん」と主張する人は、通勤時の満員電車についてはなぜか「けしからん」と言及しないんだけど、これだけ人がいないビーチは満員電車よりも感染リスクが高く危険なのかなぁ?「けしからん」と主張する人は、どうして攻撃の矛先を満員電車に向けないのか、ずっと不思議に思っている。
おそらく、「けしからん」のキーワードは「不要不急の外出」。ソーシャルディスタンスが保てない満員電車に乗って仕事に行くことは感染リスクがどんなに高くても「不要不急の外出」ではないので「正義」。買い物も生活必需品を手に入れることは必要だから「不要不急の外出」ではなく「正義」。したがって、不特定多数の人が多く集まる大都市の繁華街や大都市近郊のショッピングセンターにいくことも買い物という大義名分があるので、本来は生活必需品の買い物に限定されるべきだけど「正義」。逆に、どんなに感染リスクは低くても、観光旅行や遊びに行くことは「不要不急の外出」なので「悪」。「悪」であるから、旅行はバッシングの対象となる。さらに海外旅行なんて「極悪」だろう。感染症リスクが高い、低いではなく、単純に「不要不急の外出」に対して「正義」か「悪」か。この概念で考えれば「極悪」であるパチンコ屋に対してバッシングが起きた理由も説明できる気がする。しかし、考え方には多様性があり、あくまで私の中で個人的にしっくりきた考え方なので、私の考え方を強く主張するつもりはない。危険なのは、考え方が固定化してしまい自分の考え方だけが正しいと思うと、考え方が異なる他者を攻撃しかねない。本来は一つの目標に向かう仲間であるはずなのに、仲間同士で足の引っ張り合いになってしまう。そうなると共通の敵である新型コロナウイルス感染症の思う壺となる。
ビーチに寝そべり、波音を聞きながら自然を楽しむ。寝ながら写真を撮っても、人影はまばらにしかないし、周囲には誰もいない。私の「新しい旅行スタイル」は、人口密度の低いオープンエアの自然を感じられるところに訪問すること。その意味では、人が少ない平日のビーチは最適の場所。
太陽の光を浴びて、波音を聞いてぼーっと過ごす。体がほてってきたら海に入る。開放的なオープンエアーの空間で、マスクなしで思いっきり息を吸い込む。息が詰まるような閉塞的な生活をしていると、なんて、幸せなんだと感じる。やっぱり、たまには開放的な空間で思いっきり、息を吸わなければ生きていけない気がする。
白浜大浜海水浴場は海の水もきれい。旅行というものは、日常生活から開放されて、普段は感じることがない自然の美しさを純粋に感じられる。宿泊を伴う旅行は、3月中旬からはできる状況ではなかったので、美しい自然に触れることが、なんて幸せなことなんだろうと、つくづく感じる。オープンエアーの環境で息をすることの幸せを感じる。
白浜大浜はけっこう波が高い。大自然の中で、のんびり過ごすことで、パワーを充電できるような気がする。
2時間ほどビーチで過ごし、そろそろお昼ごはんを食べに行くことにする。ビーチには、タープなどが密集しないようにロープでマスが引かれているんだけど、写真の通り、立っているテントやタープもまばらにある程度で、いかにビーチ全体が空いているのかがわかる。実は、私は白浜大浜海水浴場は初めて来たので、普段の夏はどれだけ混雑しているのか知らないんだけど。
国道を渡った狭い道にある民間の有料駐車場にプジョー208を置いている。狭い通りにはカフェなどがあるけど、平日だからかなぁ?賑わっている様子はない。
炎天下で私を待っている相棒のプジョー208。自宅から圏央道、寒川南インター経由で西湘バイバスを通り、たった1回の休憩でここまで走ってきた。2020年夏以降の旅行は、相棒と一緒の旅行がこれから多くなるだろう。有料駐車場に併設されているシャワーを浴びて着替える。
時刻は13時過ぎ。食堂に入るにもピークの時間をずらす。そもそも「おひとり様」なので、食事はさっと食べてしまえば、滞在時間は短い。「新しい旅のエチケット」を遵守するためには、話す機会が少ないので実は一人旅そのものが感染症対策には有効だったりする。ビーチから稲取方面に走って見つけた最初の食堂「漁師料理 えび満」に入ってみることにする。
平日の13時過ぎとあって、すでに他のお客さんはいるけれど、空いており、すぐにテーブルに案内される。お店の入口でアルコール消毒を行う。スタッフはマスクをしており、感染症対策が取られている。テーブルとテーブルの感覚は広く、それに「おひとりさま」は、四人用のテーブルを独占。席に案内されるとすぐにトイレに行き、手をしっかりと洗う。
3月下旬の東京都の外出自粛宣言、4月の緊急事態宣言以降、宿泊を伴う旅行は今日まで一切していないので、地方の名物料理を食べることなんて久しぶり。しかも、どれも美味しそうでメニューを見て悩んでしまう。
さんざん悩んだ挙句に「特上漁処丼」を注文する。美味しいものを外食で食べること自体が、6月に神楽坂でフランス料理を食べて以来のこと。フランス料理もあれ以来、食べていない。海のそばで美味しいお魚料理を食べるのって、幸せなこと。
やっぱり、たまには美味しいものを食べることで幸せを感じることが必要なんじゃないなぁ。たしかに短期決戦であれば「不要不急の外出」を自粛するのがベストな方法だけど、すでに終わりが見えない持久戦に入っているので、コロナ以前の元の世界には戻らないと考えて、じっと立ち止まって待つのではなく、「新しい生活様式」や「新しい旅のエチケット」を遵守した上で、少しずつでも前に歩み始めるしかないんじゃないかなぁ?なんていうことは、オンタイムでは考えておらず、素直に美味しさを感じて幸せな気分を感じるのみだったりする。
今回の旅行は「新しい生活様式」や「新しい旅のエチケット」を踏まえて、感染症対策を徹底した実験的な旅だけど、旅のときめきや旅の楽しさは、以前の旅と変わらない。ルールを守っている飲食店や宿泊施設を利用し、旅行者もルールをきちんと守ることができれば、旅は以前と同様に楽しむことができる気がする。そして、旅は今まで通り、私にときめきを与えてくれるし、再び閉塞的な日常生活に戻って感染症と闘うパワーを充電させてくれる。気分転換や息抜きのために外出は「不要不急の外出」であり「悪」と判断する人もいると思うけど、すでに短期決戦ではなく、終わりが見えない持久戦となっている感染症と闘うためには、あくまで「新しい旅のエチケット」の遵守を前提とした上で、たまにはエネルギーの充電が「必要」なんじゃないかなぁ。
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