季節はずれのチックエテッレ 1日目(5)ジェノヴァでの夕ごはんは、食べたいものだらけで発注しすぎ?
ロッリの邸宅が立ち並ぶガリバルディ通り“Via Garibaldi”を抜けて、カイローリ通り“Via Cairoli”へ。
ジェノヴァの町は平地ではなく、海から遠くないところまで山が迫っている。丘に張り付くように建物が建てられている。クルマが通る大きな道は丘を貫くトンネル。
16世紀から17世紀にかけて建てられたバロック様式のアンヌンツィアータ教会“Basilica della Santissima Annunziata del Vastato”。
ガイドブック「地球の歩き方イタリア2018-2019」を見ながら王宮“Palazzo Reale”を目指し歩いていく。
王宮“Palazzo Reale”に到着。ここくらいは入場しようかと思ったんだけど、すでに閉館している。
うーん、ジェノヴァ観光はちゃんと日中に時間を取らなくちゃダメだったかもしれない。今回の旅程だと、ジェノヴァはチンクエテッレの拠点として観光はあまり考えていなかったんだけど、明るい時間に周遊できるようにすべきだったかも。当初の「まぼろしのチンクエテッレ旅程案」の予定だったら、夏は日が沈むのが遅いので問題なかったのかもしれないけれど。
ポルト・アンティコ“Porto Antico”に向けて歩き始める。12世紀の城壁の一部であるポルタ・デイ・ヴァッカ“Porta dei Vacca(Santa Fede)”は、海のそばにある。当然ながら、ジェノヴァも城壁で守られた城塞都市だったのだろう。ジェノヴァには海からの侵略に備えた要塞はないのかなぁ?時間があれば、ジェノヴァの城壁を探して歩くのもおもしろい。
とても小さな広場、ヴァッチェロ広場“Piazza Vacchero”には今は水が出ていない噴水がある。この裏には1628年にジェノヴァ共和国への陰謀を企てたことを記念して建てられた石碑“Colonna infame”があり、その石碑を隠すために噴水が作られたのだという。
このあたりがジェノヴァ旧市街。道幅が狭く、薄暗い。この通りはどこかに通じていそうだけど、道が曲がりくねっている。ニース旧市街のような雰囲気だけど、薄暗くなってから歩くのはちょっと警戒してしまう。やっぱり、ジェノヴァの町は日中に散策すべきかもなぁ。
ごちゃっとした旧市街って私は好きで、時間があればさまよっていたい気分なんだけれど、暗くなってしまうと警戒していなければならないので楽しめない。
この道はまっすぐ伸びているので中世の頃からあった道なのだろうなぁ。町の中心部に向かっているみたいで人通りがけっこうある。
通りのお店で売られているのは、ニースで言うソッカ“Socca”。やっぱり、ニースとジェノヴァは文化的にはつながっている。ここ、ジェノヴァではファリナータ“Farinata”。イタリア語とフランス語って似ていると思っているんだけど、“Farinata con Cipolle”と書かれており、玉ねぎはイタリア語では“Cipolle”。ラテン語の“cepulla”から来ているみたいなんだけど、フランス語では玉ねぎは“Oignon(Ognon)”で英語に近いので、語源の由来が違って面白いなぁ。
バンチ広場“Piazza Banchi”に面して立つのは16世紀に建てられたサン・ピエトロ・イン・バンチ教会“San Pietro in Banchi”。バンチ広場にはお店が並んでいる。
まっすぐ歩いてきたけれどバンチ広場で行き止まりになってしまったので、港沿いの道を歩く。港沿いの道は、軒下の道になっている。飲食店が立ち並び、賑やかな雰囲気。
お店の名前もわからず、通り過ぎてしまうような小さなお店だけど、ふと足を止めてしまう。
イカやエビ、魚のフライだけを売っているお店。ジェノヴァはメルカート・オリエンターレ“Mercato Orientale”で新鮮な魚介類が手に入ることを見てきているので、こういうお店は絶対に美味しい。新鮮な魚介類は単純な料理方法が一番美味しい。
そろそろ夕ごはんの時間で、レストランを探しているんだけど、どうしてもファリナータを食べたくなって、ガイドブック「地球の歩き方イタリア2018-2019」に載っているアンティカ・シャマッダ“Antica Sciamadda”というお店に向かう。
温めてくれて、袋に入れてくれる。ヒヨコ豆で作られたファリナータ、美味しい。ファリナータからソッカへ、ジェノヴァからニースに向けてイタリアのリグーリア州を抜けて、フランスのマントンやモナコを旅するのも面白いかもしれないなぁ。
ファリナータを食べたばかりなのに、レストランに向かう。「地球の歩き方イタリア2018-2019」に掲載されている「ヴィーコ・パッラ」“Antica Osteria di Vico Palla”へ。今日は金曜日なので、予約なしだけど大丈夫かなぁ?開店時間に訪ねてみると残念ながら予約で満席…。
帰ろうとすると「1時間になっちゃうけれど、それでもいい?」と声がかかる。もちろん、私には1時間もあれば十分なので、即答でOKの返答。
パンは袋に入れられており、何種類かのパンが入っている。もちろん、その中にはフォカッチャも入っている。1時間しかないので、前菜、プリモ、セコンドの本来のルールではないのかもしれないけれど、出来た料理からどんどん持ってくるとのことで、大きなお皿の入れ替えが面倒なので小さなお皿をもらい、取り分けながら食べる作戦。料理を待っている間に、フランスよりも一皿の値段が安かったので調子に乗って発注してしまい、頼みすぎたんじゃないかなぁ?という疑念が浮かんでくる。イタリアの大衆食堂で定食を頼むとパスタが大盛りでセコンドが来る前にお腹がいっぱいになってしまうことがある。
前菜はジェノヴァ名物の「カッポン・マーグロ」“Cappon Magro”という冷製料理。私は見たことのない料理や食べたことのない料理は、どうしても食べてみたくなってしまい、注文してしまったものの、1人前サイズで一安心。ここの「カッポン・マーグロ」はテリーヌ状のものにペスト(ペスト・ジェノヴェーゼ)が合わさり、なかなか美味しい。
ペスト(ペスト・ジェノヴェーゼ)のパスタが食べたいと言って選んでもらったのが、“Mandilli al pesto”。ラザニアのような1枚のパスタ。ラザニアよりも薄くて、ペラペラしている。ペストと絡み合って美味しいんだけど、これはなに?事前に調べていたパスタのトロフィエ“Trofie”が食べたかったんだけど、ぜんぜん違うもの。これはマンディリ“Mandilli de sea(seae)”というパスタで、意味はシルクのハンカチということらしい。フランス料理も山ほど知らない料理はあるけれど、イタリア料理ってさらに奥が深い気がする。大衆食堂ではパスタ大盛りの場合があるけれど、そんなに量がなくて一安心。心配なのは、さらにセコンドも頼んでしまったこと。
最後に運ばれてきたのは魚のグリル。マグロではないみたいなんだけど、説明を受けたけれどよくわからない。カジキなのかなぁ?メニューは黒板メニューオンリーなので、魚の名前はわからず。テンポよく運ばれてくるのでテーブルは3品の料理が並べられており、ひたすら食べる。発注しすぎだと思ったけれど、ほぼ食べてしまった。イタリア料理は美味しいし、奥が深い。
お腹がいっぱいになったので、運動のためにもホテルまで歩いて帰ることにする。ポルト・アンティコからフェッラーリ広場に向かうには、道幅の広いサン・ロレンツォ通り“Via S. Lorenzo”を通る。通りの名前の通り、白と黒の装飾が特徴的なサン・ロレンツォ教会“Cattedrale di San Lorenzo”が建っている。
マッテオッティ広場“Piazza Matteotti”に隣接している教会は“Chiesa del Gesù e dei Santi Ambrogio e Andrea”は、16世紀に建てられたもの。
そして、マッテオッティ広場“Piazza Matteotti”に面するドゥカーレ宮殿“Palazzo Ducale”。
夜のフェッラーリ広場“Piazza De Ferrari”は噴水がライトアップされていてきれい。
ヨーロッパの地方都市に行くと町が静まるのが早いことがあるんだけど、大都市であるジェノヴァもまだそんなに遅い時間ではないはずなんだけど、人通りが少ない。この辺りは、お酒を飲みに行く繁華街ではないんだろうなぁ。
ジェノヴァ・ブリニョーレ駅“Genova Brignole”の駅前ホテルである「ベスト・ウエスタン・ホテル・モデルノ・ヴェルディ」“Best Western Hotel Moderno Verdi”に戻る。思っていた以上にジェノヴァの町はおもしろくて、明るいうちに宮殿を巡ったり、狭い路地をさまよったりしたらおもしろそう。今回は旅程を考える段階で、ジェノヴァはチンクエテッレの拠点として考えていただけで、さっと見るだけだと考えていた。もっと、どっぷりジェノヴァを楽しんでもよかったかもしれないなぁ。
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