フランス北東部ナンシー・メッス、ルクセンブルクの旅 1日目(6)ナンシーのスタニスラス広場での夕ごはんはキッシュ・ロレーヌ。
世界遺産に登録されているナンシーのスタニスラス広場へ。ヨーロッパの広場は様々あるけれど、このスタニスラス広場は周囲を統一感のある建物に囲まれているところが美しい。
スタニスラス広場は、ポーランド国王だったスタニスラス・レスチンスキー“Stanislas Leszczynski”がロシアに追われフランスに亡命した際に、1737年ロレーヌ公国の公爵となる。フランス国王ルイ15世を賞賛し、建築家エマニュエル・エレによってロワイヤル広場が建設された。広場に立つ建物、そして装飾は統一感があり、そのことがこの広場を美しく感じさせている。
金の装飾が美しいロココ調のネプチューンの泉“Fontaine de Neptune”。18世紀のフランス貴族文化であるロココ様式。
広場の中央にはスタニスラス像が立つ。このロワイヤル広場が作られた頃には、ルイ15世の像が立っていたけれど、時代は18世紀でありフランス革命によって壊される。その後に立てられたのはスタニスラス像。
ネプチューンの泉の対になるのはアムピトリーテーの泉“Fontaine d'Amphitrite”。
凱旋門をくぐると左手にナンシー旧市街“Ville Vieille”が広がっている。
ナンシー旧市街“Ville Vieille”のこの辺りがナンシーのレストラン街になっている。今回のフランス旅行の最初の夕ごはんは何を食べようかなぁ。
ナンシーの新市街は直線的な道路が多いけれど、旧市街は道が曲がりくねっている。
サン・テヴル教会“Basilique Saint Epvre”は19世紀に建てられたもの。この教会前のサン・テヴル広場は旧市場広場。
外敵から守るためにヨーロッパの町は城壁で囲まれた城塞都市であることが多いんだけど、ナンシーの町でも、旧市街“Ville Vieille”に城塞都市の名残を見ることができる。
このクラフ門“Porte de la Craff”は14世紀から15世紀に建てられたナンシーの最も古い城壁の一部。特徴的なのは門の上に見える十字架がロレーヌ十字“Croix de Lorraine”になっている。ロレーヌ十字は結核との戦いのシンボルとなっている。おそらく「ロレーヌ十字」が由来となっている東京都清瀬市に「複十字病院」という病院がある。
今回の旅のフランス最初の夕ごはんは、景観重視でスタニスラス広場に面する カフェ・デュ・コメルス“Café du Commerce”で食事をすることにする。いつものようにミシュランのシールが貼ってあるレストランを探して定食を食べるのではなく、せっかく、ナンシーに来ているんだから、キッシュ・ロレーヌが食べたい。キッシュ・ロレーヌだったら、観光客向けのレストランの方がいい。それだったら、今回は景観重視でスタニスラス広場を眺めながら夕ごはんを食べよう。
前回の北フランス、オー・ド・フランス地方の旅からビールが好き。銘柄はベルギービールだし、暖房はあるものの冬なので寒いけれど。広場を見るために3月でまだ寒いので外の席に座る。
前菜として、食べたかったキッシュ・ロレーヌ“Quiche Lorraine”。
せっかく、ナンシーに来たのだから、これを食べなくちゃ。ふわふわのキッシュロレーヌ、美味しい。
メイン料理としてロレーヌ地方らしくはないかもしれないけれど、タルタルステーキ“Tartare de bœuf Lorraine haché maison”。スタニスラス広場を眺めながらの食事、なかなかいい。景観重視でこのカフェにして正解だったかも。
カフェ・デュ・コメルスではデザートも食べずに席を立つ。今までの私のフランス旅行は、美味しいものを食べようとミシュランの赤いシールやゴー・ミヨの黄色いシールを探していたけれど、観光客向けの普通のレストランやカフェの方が郷土料理ぽいものは食べられるのかもしれないなぁ。
夜のスタニスラス広場に立つ市庁舎“Hôtel de Ville”。夏の時期にはイルミネーションショーが開催されるみたい。一度見ている風景だけど、夜景は夜景で美しい。
ライトアップの影響もあるけれど、カフェ・デュ・コメルスの入る建物は市庁舎と同じデザインになっていることが夜景の方がよくわかる。
スタニスラス広場のコーナーにあるネプチューンの泉“Fontaine de Neptune”も、夜景だと雰囲気が違う。
夜のネプチューンの泉“Fontaine de Neptune”も金色が強調されて見える。
夜の静かで人の気配の少ないスタニスラス広場をぼーっと眺める。
スタニスラス通りの入り口も金色の門で装飾されている。細かなところまで装飾されているのがスタニスラス広場の美しさを感じるのかもしれないなぁ。
食後にデザートとエスプレッソでも飲もうかと思って、ナンシー駅前にあるブラッスリー・エクセシオール“Brasserie Excelsior”へ。
ところが、ブラッスリー・エクセシオール“Brasserie Excelsior”は、夜はカフェとしての利用はできないみたいで食事しないとダメだと断られてしまう。アール・ヌーヴォーの装飾を見ながらデザートを食べてエスプレッソを飲み、食後の余韻を味わいたかったのに残念。
仕方がないので、カンパニール ナンシー ガール“Hôtel Campanile Nancy Gare”に戻る。ホテル1階にあるバーに行く。
ロレーヌ地方に来て、食後に飲むものといえばミラベル。思えば、2003年に以前にナンシー大学に留学していた大学教授と一緒にナンシーを訪れた時に、このミラベルを教わった。ミラベルを飲むと、胃が活性化して、満腹になっていても、また食べられるようになる。私がエールフランスで愛飲しているポワールと違って辛口で、アルコール度が高いので胃が熱くなる。この胃が熱くなる感じが、胃が活性化することなのかもしれないなぁ。ミラベルを飲んでお腹を空かせれば、ブラッスリー・エクセシオールで、アール・ヌーヴォーの装飾を見ながらもう一度夕ごはんを食べられるかもしれないなんて思いながら、ミラベルをちびちび飲む。
今回のフランス北東部ナンシー・メッス、ルクセンブルクの旅の1日目が終わろうとしている。結果的には、羽田空港深夜2時発の大韓航空を使ったフライトは、ソウル仁川国際空港でエールフランスAF267便(大韓航空KE5901便)に乗るまでは疲れた感じだけど、その後の12時間のフライトで体力が回復した感じで、フランスに到着してからは疲れた感じはない。ドバイやドーハ経由よりも私にとっては身体は楽かもしれないなぁ。7番目の深夜便の選択肢として大韓航空を選択するのは積極的にリピートありかもしれない。ホテルのバーは、そのまま部屋に上がるだけなので楽でいい。部屋に戻り、シャワーを浴びて、ベッドに入る。
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