冬の高野山・大阪ひとり旅 2日目(1)高野山の宿坊「福智院」で早朝6時の「朝の勤行」に参加する。
2018年2月19日、月曜日、高野山福智院で迎える朝。早朝6時からの「朝の勤行」に参加するために本堂へ向かう。畳に正座ではなく、ストーブの前の椅子に座り、「朝の勤行」の様子を見学しながらお経を聞くのみで、体験するわけではない。参加者は外国人を含んだ女性の3人組のみ。もしかしたら、宿泊していたのは私とこの女性3人組だけだったのかもしれないなぁ。
昨日の夕食前に部屋にお坊さんが訪ねてきて、先祖供養のお経をあげないかという話を受ける。最近は外国人が多くなり、なかなかお経をあげる人も少なくなっていると話されるので、それではお願いしますと祈祷をあげることをお願いした。昨日、私が仕上げた写経も奉納されている。
灯りがついている部屋が私の部屋。あれ?電灯は消してきたと思ったんだけどなぁ。
おひとり様専用のこの部屋は離れのような雰囲気でなかなかよかった。2月はファンヒーターを焚かないとものすごく寒いけど。
朝ごはんも精進料理。今回の修行の旅はまだ肉や魚を食べていない。
がんもどきやおからなどのおかずが並ぶ。宿坊の朝食はおかずもたくさんある豪華な朝食。
豆乳の湯豆腐がまた美味しい。なんだか、残すのが悪いような気がして、お櫃のごはんを2杯分、全部食べたらお腹いっぱい。
宿坊「福智院」の宿泊は、普通に旅館に泊まることとあまり変わりはない。違うといえば、平屋建てのお寺なので、廊下が寒かったことくらい。おひとり様用の部屋のトイレが寒かったことくらい。あとは温泉大浴場があるので、お風呂もいつでも入ることができるし、不自由はない。「朝の勤行」も強制的なものではないし、食事も部屋食と想像以上に特別なことはない。私はオプションで写経体験をしてよかったと思っている。途中で何度かいつになったら終わるんだろう?という罰ゲームではないかという邪念も感じてしまったけれど。
お世話になった福智院を出て、昨日は歩いていない女人堂方面に行ってみることにする。南海電鉄の不通となっている区間がなければ、ケーブルカーで高野山駅に到着し、バスでこのルートを通るので、代行バスでなければ必ず通るはずの道路。
「徳川家霊台」に行ってみることにする。朝の道路は凍結しており、慎重に歩く。
三代将軍家光の代に作られたもので、2つの建物が並んでおり、左側が台徳院秀忠公霊舎。
1643年、三代将軍家光の時代ということは日光東照宮などと作られた時代は大きくは変わらない。細かな彫刻に見入ってしまう。
右側が東照宮家康公霊舎。左右の建物は家康の方が大きいということはなく、同じような大きさの建物。
大名が高野山参拝の際に宿坊を持っていたのか、関わりのある寺があるのか、蓮華定院は真田の六文銭の寺紋。
菊の御紋の巴陵院は皇室との関わりがあるお寺だったんだろうなぁ。
かつては女人禁制だった高野山では、女性はこの女人堂までしか入れなかったのだという。
高野山に来てからずっと気になることがある。この吊るしてあるものは、なんだろう?「根本大塔」の中にもあったと思うし、福智院の本堂の中にもあった。なかなか、写真撮影ができる場所になくて、高野山独自の何かなのかどうかもよくわからない。名前もわからないので福智院でお坊さんに聞いてみればよかったなぁ。
レトロな雰囲気の警察署。大正期あたりのモダンな雰囲気を感じる。
高野山のすべてを見たわけではないけれど、今回の高野山の旅はこれで終わりにすることにする。高野山は違う季節に訪れても面白いかもしれないなぁ。奥の院への石塔の並ぶ表参道を歩いていると、心が落ち着くような気がしたので、リピートあり。その時に見逃した場所は訪れてみればいい。
最後に金剛峯寺にお参りして、いつか再訪することを誓う。今度は冬ではない風景も見てみたいなぁ。
金剛峯寺前の駐車場が南海電鉄の「鉄道代行バス」の停留所になっている。料金は大門南駐車場で料金を支払うみたいで、ここでは料金は発生しない。
バスは20分おきに出ているということは、大門南駐車場からも20分おきに橋本駅行きのバスが出ているのかなぁ?すべてのバスが接続しているわけではないのかなぁ?
高野山の旅、おもしろかった。次に来る時には極寒の時期ではない時に奥の院への道を歩いてみたいなぁ。新緑、紅葉、季節ごとに風景が異なって楽しそう。それに宿坊に宿泊しての写経体験や「朝の勤行」もおもしろかった。
大門南駐車場に到着する。熊野観光のバスに乗り換える。熊野へ行ってみたいとは思うけれど、クルマでの旅行じゃないと不便だろうなぁ。クルマでの旅も好きなんだけど、高速道路の料金は一人だと割に合わないこともあって、一人旅での自動車旅行はこのところ行けていない。
南海なんば駅までの切符は買えるんだけど、滅多に南海電鉄なんて乗らないので途中駅で下車することを伝えると、高野山駅で入場したことにして、途中駅で全額精算するとのこと。精算機にこの切符を投入してほしいと切符をもらう。
鉄道代行バスは高野山を出発し、センターラインもない山道を下っていく。もしも、南海電車の不通区間がなかったら、そのまま極楽橋から真田幸村が幽閉されていた九度山に行ってみたかったんだけどなぁ。でも、きっと神様が高野山にまた来なさいと言っているに違いない。それはまた次回のお楽しみ。
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