初めてのフランス北部、オー・ド・フランス地方ひとり旅 3日目(3)リールのノートルダム大聖堂。
今いる場所がわからなくなって、モバイルWifiの電源を入れ、GoogleMapを見て現在地を確認し、方向を修正し、シタデルの方向に向かう。まぁ、なければないで観光案内所でもらった地図を見ながらでも修正できたと思うけど、やっぱり、スマートフォンで地図が見られるのは便利。
公園のような広大な敷地がシタデル。「お堀」とは言わないと思うけれど、要塞を防御するためにお堀があるのは、日本のお城と同様の理由なのかな?
シタデルの方向に歩き始めて、日本のお城のような天守閣があるわけではなく、いわゆる中世のヨーロッパのお城でもない城塞は城壁があるくらいで、平地から見ても面白くないかもしれないなぁと思い始める。
観光案内所でもらった地図で見ると、リールのシタデルは見事な星型要塞で、この地図を見ておもしろそうに感じて行ってみたいと思ってはみたものの、よく考えてみると近づいたところで城壁しか見えないのではないかなぁ?
函館の五稜郭タワーのような設備がない限り平地からは星型要塞がわからないんじゃないかなぁ?上空から見ないと星型要塞であるリールの要塞の面白さはわからない。
自然の風景はのどかな雰囲気で歩いていても、のんびり歩くには心地よいんだけど、要塞そのものに行く価値はないかもしれないなぁ。シタデルを目指して歩いて来たわりには、このまま公園のような風景を眺めていても広すぎることもあって中心部まで歩いて行くことをあきらめる。
私の旅は行き当たりばったり。最初から予定をちゃんと決めていないので変更することもしばしばあるもの。それに今日は道に迷った分だけかなり歩いてしまっているんだもの。
再び、リール中心部に向けて歩き始める。運河がリールの町の中心部に向けて作られている。大量の物資を輸送するためには、水運は町の発展にとって重要な要素。
観光案内所でもらった地図とGoogleMapで現在地を確認しながら、リール旧市街に向かって歩き続ける。
あれ?なんとなく見たことのある風景。デジャブ?Déjà-vu?
わかった、この場所が道に迷った原因の場所。この地点でこの道の先に見える“Église Saint-André”の鐘楼が気になって、ロワイヤル通り“Rue Royale”をまっすぐ歩き続けたことが方向感覚を失ってしまった原因。シタデルに向かうには、ここで曲がらなければいけなかったみたい。でも、“Église Saint-André”の鐘楼を近くで見てみたかったんだから仕方がない。目的地に行くには遠回りだったかもしれないけれど、最終的には目的地に着いたんだからそれでいい。人生、遠回りをしたって、最終的には目的をきっと達成するに違いないとポジティブ思考。
この辺りは“Vieux Lille”と言われる古い街並みで、観光案内所のマダムが地図に丸をつけてくれた必見スポット。
確かに低層の建物が並び、なかなか雰囲気がいい。リール旧市街“Vieux Lille”の街並みは、この地域で特有の戦争の影響を受けなかったのかなぁ?
リールのノートルダム・ド・ラ・トレイユ大聖堂“Cathédrale Notre-Dame-de-la-Treille”に到着してみると、昨日、アミアンのノートルダム大聖堂を見ていたこともあって、不思議な印象。まず、立地する場所が町の中心ではないことと、教会の周囲が公園のようになっていること。そして、何よりもファサードが歴史を感じさせない近代的なデザイン。このようなデザインになったのは、オー・ド・フランス地方特有の第一次世界大戦、第二次世界大戦の影響かと思っていたら、そうではないらしい。
大聖堂が建つ小高い丘は、かつてはこの場所は“La Motte”と呼ばれるかつては要塞が建てられていた場所だったらしい。ノートルダム・ド・ラ・トレイユ大聖堂“Cathédrale Notre-Dame-de-la-Treille”の建築が始まったのは、19世紀、1853年とフランス革命以後となる。その後、財政難に陥り、完成したのは実に1999年。二度の世界大戦による破壊、そして再建というわけではなく、完成したのが1999年ということらしい。資金不足で鐘楼や正面のファサードが建設できなかったのかもしれないなぁ。
教会の横には聖ニコラの鐘楼“Campanile Saint-Nicolas”が立つ。
教会の内部に入ってみると、ゴシック様式の歴史のある教会と変わらない感じ。柱などをみると石が積み上げられており、コンクリート製というわけではなく、1853年からゆっくりと建設が進んでいたんだろうなぁという印象を受ける。
この日は夜にコンサートが開かれる様子で準備が進められている。残念ながら午後にはリールを去ってしまうので、聞くことはできないけれど。
リール旧市街“Vieux Lille”は、ノートルダム・ド・ラ・トレイユ大聖堂“Cathédrale Notre-Dame-de-la-Treille”の建つ小高い丘を取り囲むようにして広がっている。観光案内所のマダムが地図に丸をつけてくれた必見スポットをもう少し歩いてみることにする。
庭園“Jardin de l'abbaye de Loos”があるので入ってみることにする。
旧市街の真ん中に庭園が広がっている。名前から考えると修道院本体はどこにあったんだろう?
今日までリールの町をじっくり歩くことはなかったけれど、リール旧市街“Vieux Lille”は歩いていて風情のある街並みでなかなか楽しい。
「地球の歩き方」などの日本語のガイドブックと現地の観光案内所でのおすすめスポットは異なることがあるけれど、私は観光案内所のおすすめスポットを歩くことが多い。反面、重要な観光スポットを落とすこともあるんだけれど、今回はオススメスポットが大正解。
ふと、行列ができているお菓子屋さんを見つける。“Aux Merveilleux de Fred”というお菓子屋さんみたいだけど、フランス人が並んでいるなんて、流行のお菓子なのかなぁ?
“Les Merveilleux”というお菓子がスペシャリテみたい。美味しそう。しかもお手頃なお値段。フランス人が並ぶくらいなんだから、きっと美味しいに違いない。試してみたい誘惑との戦いが始まる。でも、お昼ごはん前なんだよねぇ。
“Aux Merveilleux de Fred”は、もともとはリール郊外のHazebrouckという町が発祥みたいだけど、現在はリールだけではなく、パリやフランス北部地方を中心にお店があるみたい。さらにベルギーにもある。うーん、試してみたい気もするけれど、そろそろお昼ごはんの時間なので断念する。食事の前にケーキを食べてしまうとお腹がいっぱいになり食事が楽しめない。チェーン店でパリやフランス各地にお店があるなら、きっと、次にフランス旅行をすることがあったら、フランスのどこかの町で食べる機会はきっとあるだろう。次回、どこかの街で出会うことを信じてあきらめる。
左側の建物はオスピス・コンテス“Hospice Comtesse”。1237年にジャンヌ・フランドル伯爵夫人によって作られた病院。火災などにより現在の建物は17世紀のものらしい。
今日は朝からずっと歩きっぱなし。お昼ごはんの時間には少し早いし、トイレにも寄りたいので、カフェに入ることにする。街角にある普通のカフェに入る。
トイレを先に借りて、席に座る。フランス旅行中、私は滅多に有料トイレを使わない。有料施設の美術館や博物館で済ませること、お昼ごはんを食べたレストランで行く。そして、どうしても途中でトイレに行きたい時はカフェに入る。先にトイレを済ませてからカフェを注文する。
カフェの時計は11:15。ホテルを出てから2時間半ほど歩きっぱなし。でも、リール旧市街はおもしろかった。ダンケルクやアミアンを訪れてしまっていたので、リール観光は最後になってしまったけれど、リールの町自体は魅力的な町。今回の旅は、フランス北部、オー・ド・フランス地方にして本当によかった。
ビールにしようか迷った挙句に今回はエスプレッソ。ビールはお昼ごはんまで我慢することにする。今日は誘惑に負けずに頑張っている。
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