初めてのイスラエル、エルサレム・死海ひとり旅 2日目(1)キャセイパシフィック航空でテルアビブへ。そして、テルアビブ・ベン・グリオン空港で緊張のイスラエル入国審査へ。
香港で日付は変わり、2017年7月13日、木曜日となる。キャセイパシフィック航空CX675便の搭乗口で、係員の女性から「選ばれた乗客」として右側のレーンに進む。緊張しながら右側のレーンを進むと、想像通りその先には制服姿の係員が待ち受けており、機内持ち込みの手荷物の中身をすべてチェックするという厳しい手荷物検査を受ける。まだ香港にいるのに、いきなりイスラエル入国の厳しさを体験することになる。手荷物検査の係員は複数人いるので、検査そのものは、そもそも怪しいものは持っていないのでスムーズに進むので時間はかからない。なにしろ、今回のイスラエル旅行、スーツケースを含めて無駄なものは極力入れていない。無事に手荷物検査を終えて、エアバスの最新鋭機であるエアバスA350の機内に入る。
キャセイパシフィック航空のエアバスA350のエコノミーのコンフィグレーションは、A350では標準仕様の3-3-3の横1列9席の配置。リクライニングは通常の後ろに倒れるタイプ。
最新鋭の機材なので、当然ながらエンターテイメントシステムも最新のもので、成田空港から香港までのB777よりも画面が大きい。
最新鋭機エアバスA350のシートだけあって、このシートよくできているなぁ。
通常のトレーの上にも小さなトレーがあって、ドリンクフォルダとiPadなどのタブレット用なのか手前に溝がある。このトレーは高い位置にあるので、スマートフォンなどの小物を置くのにとても便利。私はタブレットを持っていないけれど、自分のタブレットで好きな映画を見るのもいいかもしれないなぁ。
離陸後に深夜1:00の出発でもちゃんとした機内食が出る。中華と洋食とパスタからの3択で洋食のチキンを選択する。写真では見切れてしまっているけれど、ペッドボトルの水がついている。ワインはボトルから注いでもらう。香港から積んだ洋食の機内食、なかなか美味しい。
深夜便なのであとは寝るのみ。香港経由は東京よりも西寄りなのでヨーロッパに行くのに時間短縮になるかというと、北回り航路の場合はけっきょく北上してロシア上空を通るので、東京出発でも飛行時間は変わらないかも。
エル・アル・イスラエル航空が東京に就航してくれればいいのになぁ。すでに2015年7月に行われた日本・イスラエル航空当局協議にて、成田空港乗り入れが週14便までは乗り入れ可能となっている。もちろん、ANAやJALがテルアビブ直航便を新規就航することもできる。
平成27年7月10日 日本・イスラエル航空当局間協議の結果について
カスピ海上空あたりで朝食の時間。朝食は洋食と中華の二択にて、中華風の麺料理を選択する。この中華風の焼きそばが具沢山でなかなか美味しい。
キャセイパシフィック航空、実は今から17年前の2000年10月に一度だけ予定外に利用したことがある。BA英国航空を利用し、パリに旅行に行った帰りに、パリからロンドン行きの飛行機が遅延し、ヒースローで東京行きの便に乗り継ぎできないという困った事態に遭遇。BAの乗り継ぎカウンターで、どうしても仕事があるから帰国しなければならないので翌日便では困ると交渉した結果、BAで香港に向かい、そこからキャセイパシフィック航空を利用して帰ることになる。成田に向かう時間と同じくらい飛行機に乗って、到着したのは香港。香港から日本に向かう便に乗れた時にはやっと帰ることができるとホッとした記憶がある。
その時のキャセイパシフィック航空の印象がよかったんだけど、それは乗り継ぎトラブルがあって、なんとか日本に帰ることができるフライトだったので、客観的な評価ではないんだろうとずっと感じていた。今回、キャセイパシフィック航空をちゃんと利用してみて、その時の印象が良かったのは緊急時だったからではなく、普通に利用してもなかなかいいことを確認する。ちなみにこの香港に飛ばされる事件の以来、行きも成田からロンドンまでのフライトが遅延してパリ行きの乗り継ぎができなかったので、私にとっては乗り継ぎ失敗率100%のBAは使っていない。CX675便はトルコを出て、地中海に出る。キプロスが懐かしい。
A350は垂直尾翼にカメラがついていて、モニタで見ることができる。とうとうイスラエルの地が見えてきた。まもなくテルアビブ・ベン・グリオン空港に着陸する。
キャセイパシフィック航空CX675便は無事にテルアビブ・ベン・グリオン空港に着陸し、まもなくスポットに到着。
ベルト着用サインが消えて、飛行機を降りる準備を始める。すでに香港で搭乗前にセキュリティチェックを受けており、イスラエルのセキュリティチェックが通常とは異なることを思い知っている。飛行機を降りて、イスラエルの地に入ったらどのようなセキュリティチェックがあるのかなぁ。
とうとう来てしまったイスラエル。「まだ知らない」イスラエルへの旅が始まる期待と、他の国とは違うという認識が頭の中で混ざり合い、いつになく期待と不安が入り混じっている。本当に入国に対してこんなに緊張しているのは珍しい。
テルアビブ・ベン・グリオン空港の建物に入る。先行研究の中には入国審査場に行くまでの間に質問を受けることもあるという情報がある。すでに私は香港の空港で選ばれた乗客になってしまったので、また選ばれてしまうかもしれないなぁ。どのようなことを尋ねられるのかなぁ。
エアバスの最新鋭機、エアバスA350はなかなか快適なフライトだった。近い将来、JALがB777の置き換えでこの機材を導入するので日本の空でもA350を普通に見る日が来るし、普通に乗る日が来る。
少なくとも監視はされていなそうだけど、のんきに空港内の写真なんて撮っていて大丈夫なのかなぁ。監視カメラがあって、マークされていたりして。まぁ、でも私は単なる観光旅行で、怪しいミッションがあるわけではないし、いつも通りにしていればいい。案内に沿ってまっすぐ進む。
まっすぐ進むと、大きなホールがある。イスラエルから出発する人々が使用する大きなホールの周囲を歩いて出口を目指す。
巨大なホールは中央に噴水があって、お店も普通にある。普通に平和な雰囲気で、このホールの風景を見て、先行研究などから得る「先入観」や「偏見」が心配させているだけで、実際は案外、普通なんじゃないかなぁ?と思い始める。少しだけ緊張がほぐれた気がする。
大きなホールの周囲を歩き、入国審査場に向かう緩やかな坂道。右側の壁の反対側はイスラエル出国審査を終えて大きなホールへ向かう人とガラス越しに交差する。この先にはガイドブックや先行研究でも難所とされているイスラエルの入国審査が待っている。
WELCOMEと書かれた先が、いよいよ「地球の歩き方イスラエル2015〜2016」にも「審査に数時間かかってしまうことも珍しいことではない」(P292)と書かれている入国審査。入国審査のブースはたくさん開いていて、それぞれのブースに並ぶため、自分の列の前の人が引っかかって手続きが長引くと時間がかかる。列には30分以上ならび、ようやく私の番が回って来る。一人一人の時間がかかっているのを目の当たりにしているので、どのような質問を受けるのか緊張の瞬間。
担当するのは女性の係官。聞かれる内容は、ガイドブックに載っている通りだけど、旅行の目的、どこに行くのか(パレスチナには行かないのか)、滞在期間、知り合いはいるのかなどで落ち着いて話せば難しい内容ではない。問題はイスラム教国の出入国のスタンプ。チュニジア、モロッコは観光と答えると特に追求なし。UAEはトランジットと返答し特に追求なし。1回だけの入国であれば、そんなに深くは聞かれない。ところが、私のパスポートには3回のトルコ入国のスタンプがある。突っ込まれて聞かれたのが、トルコのスタンプが複数あったこと。1回目は「グループツアーでカッパドキアなどを周遊したこと(トルコ大爆勝)」と、2回目の3回目はトランジットなので同日のスタンプになっているでしょ?(ギリシャの行きと帰りにトランジットの時間に余裕があったので2度もトルコに入国しており、帰りはイスタンブール観光をしたとまでは説明していないけど)と、すべて偽りのない事実を説明する。複数のトルコのスタンプのせいで別室送りになってしまうのかなぁ?ギリシャの往復に時間があったのでトルコに入国したので、「トルコ大爆勝」と含めて3回もトルコ入国のスタンプが残ってしまったのが失敗だったかも。
トルコのスタンプのせいで別室送りになるかと心配したけれど、10分くらいかけて、ようやく無事に滞在許可証をもらって入国できる。事前の情報の通り、この滞在許可証の発行のみでパスポートにスタンプは押されない。むしろ、私のパスポートは有効期限切れまで1年を切っているので、イスラエル入国記念にスタンプを押してもらっても良かったんだけど。許可証の写真はパスポートからのスキャンでとても不鮮明。
結論としては、入国審査は恐れていたほどの厳しさはなく、心配しすぎていたかも。事前に情報として得ていたガイドブックや先行研究から、「先入観」や「偏見」に私の頭の中を支配されていたかもしれないなぁ。聞かれる内容は、ごく一般的なことであり、淡々と事実を説明するだけで、答えるのに困るようなことはない。イスラエル入国は事前の情報のせいで緊張しすぎて損した気分。やっぱり、自分で実際に体験してみないとわからない。
イギリスのロンドン、ヒースロー空港でもこのくらいは聞かれるんじゃないかなぁ?だって、イスラエルには実際に怪しい目的ではなく単なる観光で来ているんだから、それを係官に素直に伝えればいいだけ。ただし、話した内容はコンピュータに入力し記録されていて、出国審査時に内容を照合されている雰囲気を感じる。そのため、入国時の内容は記録されていて、話した内容と一貫性がない場合は怪しまれるのかもしれないので要注意。と言っても、素直に嘘をつかなければ問題ない。
イスラエル旅行で心配していた入国審査はあっさり通過し、無事にスーツケースを受け取り、制限区域を出る。テルアビブ・ベン・グリオン空港内はタクシーの客引きがいるわけでもなく落ち着いた雰囲気。次の課題はベン・グリオン空港からエルサレムに向かうこと。「地球の歩き方イスラエル2015〜2016」によると、エルサレムに向かうには路線バスは運行されておらず「シェルート」と呼ばれる乗合路線タクシーに乗るしか方法はない様子。「地球の歩き方イスラエル2015〜2016」の情報の通り、シェルート乗り場を探す。
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