青春18きっぷで伊勢参り一人旅 2日目(5)近鉄富田駅で、なぜか懐かしさを感じる黄色い電車。
賑やかな伊勢市駅とは違って、五十鈴川駅前ロータリーにはお店も何もない。駅には近鉄電車が停車している。すぐに発車しないのでこの駅が始発みたい。
近鉄五十鈴川駅は、売店もなければ人も少なく、寂しい雰囲気。時刻表を確認すると、名古屋方面へは特急電車は1時間に2本出ているけど、名古屋方面に向かう急行電車は1時間に1本しか出ていない。近鉄電車だったら運行本数が多いので時刻表を見なくても大丈夫だと思っていたのが失敗だったかも。
名古屋方面行きの特急電車もあるけれど、急ぐ旅ではないので特急料金が必要ない急行電車で名古屋方面に向かうことにする。
停車しているのは上本町行きの急行電車。30分に1本、上本町行きと名古屋行きが交互に出ているみたいなので、この電車で近鉄大阪線と近鉄名古屋線が分岐する伊勢中川駅までは行って乗り換えればいい。近鉄電車に乗って大阪に出てしまうというのもプランとしては面白かったかもしれないなぁ。
始発駅じゃなくても、伊勢市駅から乗車しても電車はガラガラ。ほとんどの人はクルマで伊勢神宮を訪れるのだろうなぁ。近鉄電車の急行電車に乗ってお伊勢参りに来る人は少ないのだろう。
伊勢中川駅で急行名古屋行きに乗り換えができることは車掌さんのアナウンスでわかる。車掌さんが車内を巡回している時に名古屋行きの急行の始発駅を尋ねると次の名古屋行き急行電車は松坂駅始発であることを教えてもらう。
同じ電車に乗り換えるなら、始発駅から乗った方が着席できる可能性が高くなので、松坂駅で降りる。
大阪上本町駅に行くのもおもしろかったかもしれない。私は大阪をちゃんと観光したことって少ない。それに、紀伊半島東側はクルマで那智の滝から串本までは行ったことがあるけれど、串本から大阪までの紀伊半島の西側は行ったことがない、私にとっては「まだ知らない」未開拓の地。
高野山なども行ったことがないので関西国際空港までLCCで飛んで、そこから大阪に行かずに紀伊半島を南下する旅もいいかもしれないなぁ。そうか、青春18きっぷでひたすら帰って来るという「概念」を捨てて、ゴールを関西国際空港にしてLCCで帰ればよかったのかも。跨線橋を渡り、7番線へ。
7番線には松坂駅始発の名古屋行き急行電車が出発を待っている。
始発駅なのでガラガラだけど、四日市駅を過ぎたあたりで席は埋まって来る。
今朝、行きの近鉄電車で見かけた風景にどうしても気になることがあって、近鉄富田駅で急行電車を降りる。
近鉄富田駅に来たのは初めてのはずなのに、この三岐鉄道の黄色い電車に、どことなく懐かしさを感じている。私はこの三岐鉄道の黄色い電車をよく見かけていた気がするし、この黄色い電車によく乗っていたような気がする。ここに来たのは今日が初めてなのに。
西武鉄道はかつて西武所沢車両工場で電車を自社で製造していた。元西武701系は主に西武新宿線を走っていたはずなので、もしかしたらこの車両には以前に乗ったことがあるかもしれないなぁ。
三岐鉄道なんていう私鉄があることもちゃんと知らなかったけど、今朝、伊勢へ向かう近鉄電車から三岐鉄道の黄色い電車を見つけた時には、どうしても近くで見たくなってしまった。
三岐鉄道のこの編成は面白いことに前と後ろで顔が違う。連結されているのは元西武新101系。黄色い色は西武線の黄色そのものなのかなぁ?
西武新101系は西武所沢車両工場製のものもあるけど、東急車輛製の車両もある。この新101系は西武池袋線の主力車両だったので、もしかしたらこの電車にも乗ったことがあるかもしれないなぁ。
西武701系と西武新101系では、系統が違うので屋根の形状が異なる。雨どいの位置も違う。それが一つの編成になっているからおもしろい。
そして、すぐに再び改札口を通って下り電車のホームに向かう。なぜ運賃の精算を近鉄富田駅で済ませたのかと言えば、これから向かう目的地は名古屋ではなく、四日市方面に戻ることになる。近鉄富田駅に目的があって意図的に乗り越しているわけなので、きちんと精算した方がいいかと思って。
近鉄四日市駅に到着。今日、青春18きっぷを使わなかった理由は、最終目的地は湯の山温泉だから。旅行に出たからにはのんびりしようと思って、名古屋近辺の温泉を探した結果、名古屋と伊勢の中間にある湯の山温泉の温泉旅館に泊まることにした。
湯の山温泉に行くには、近鉄四日市駅から近鉄湯の山線に乗って終点の湯の山温泉に向かう。
最前列の座席に座り、子どもみたいに風景を楽しむ。日曜日夕方の湯の山温泉行きの電車は乗客が少ない。湯の山線は単線で各駅にすれ違い設備があるんだけど、普通列車しか運行されていないのに全駅にすれ違い設備が必要なのかなぁ?ホーム1面で上り・下り併用でもいいような気がするけど、平日は通勤・通学路線として多くの乗客が乗ってホームが混雑するからなのかなぁ。
30分近くかけて鈴鹿山脈が近づいてくる。四日市から思っていたよりも平地が広がっていて、御在所山までは遠い。
日曜日夕方の電車で終点の湯の山温泉まで来たお客さんは私を含めて3人。
近鉄湯の山温泉駅から温泉街の中心部である三交湯の山温泉まではバスが出ているんだけど、16:01に最終バスが出てしまっているのでもうバスはない。
今日、宿泊する温泉旅館「彩向陽(いろどりこうよう)」に電話を入れて迎えに来てもらうことにする。この温泉旅館を選択したのは、湯の山温泉駅まで迎えに来てくれるから。
事前に四日市駅で連絡しておけば、到着時にすぐに車を手配してくれたかもしれないけど、駅前の雰囲気をちょっとだけ感じたかったので、これでいい。人通りもなければ、小さなお店が一軒あるだけで、駅前の賑やかさはない。湯の山温泉はどんな温泉街なのだろう?
近鉄湯の山温泉駅の行き先表示を見ると、かつては賑わっていたんだろうなぁと思われる痕跡がある。まず、1番ホームだけではなく2番ホームが使われていた時代があることが想像できる。
そして、表示板をよく見ると、「特急」が走っていた過去があるのだろう。しかも、名古屋行きの直通電車も走っていた。特急名古屋行きの電車があったのかもしれない。団体客を乗せた臨時電車も走っていたのかもしれない。そう考えると湯の山線が全駅にすれ違い設備があるのも納得できる。今でこそ、ひっそりとした駅前だけど、湯の山温泉はかつて一大観光地だったのかもしれない。
私がいかに下調べをしないかがまた判明してしまう。名古屋と伊勢の中間にあるということで、なんとなく選択した湯の山温泉は「恋結びの街」だった。永遠の愛と、幸せに結ばれることを願い、折鶴を奉納する恋人と一緒に来なくちゃならない場所だった。早く、私と一緒にこのパネルから顔を出してくれる「連れ」を見つけなくちゃ!
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