ムール貝を食べにベルギーひとり旅 2日目(2)アントワープのノートルダム大聖堂でネロとパトラッシュの見たルーベンスの絵画。
フルン広場にはオープンテラスのカフェやレストランが並んでいる。季節のよい時期だったら賑やかなんだろうなぁ。
フルン広場にはノートルダム大聖堂を背にルーベンスの銅像が建つ
写真というのは、天候によって町の持っている魅力をうまく伝えることができないことが難しい。旅行の場合は、よほどゆっくりとした旅程を組まないと天候が回復して晴れるまで待つこともできない。まず朝9時台の早い時間であることと、雨が降っていることで平凡な風景に見えてしまうけれど、夏の晴れた日にカフェでお茶をしている観光客であふれている様子を想像すれば、なかなかフルン広場はよい雰囲気。
人通りも少なくて観光客もいないので、アントワープの町の雰囲気をうまく伝えられない。
アントワープを訪れた最大の目的であるノートルダム大聖堂に到着。ここに雪の降る中をネロとパトラッシュが見たルーベンスの2枚の絵画があるはず。巨大な塔の時計は9時半を指している。
教会の彫刻を見るのって好き。いつもの通り、ガイドブックをしっかりと読み込んでいないので、ノートルダム大聖堂に入れるのが10時からだと知る。
仕方がないので、先にグローテマルクトへ向かう。グローテマルクトに立つ市庁舎もなかなかいい建物だけど、どうしても曇り空だと魅力ある風景の写真を撮ることができない。
この広場に面した建物もとてもかわいらしく、晴れていればもっとグローテマルクトのかわいらしさを伝えることができるのになぁ。アントワープに来てから、私の興味は建物のてっぺん。ブリュッセルでは気がつかなかったんだけど、ブリュッセルでも建物の先端に彫刻が飾られていたのかなぁ?
間口が狭い建物が並ぶ広場はおもしろい。カフェやレストランが並んでいる。晴れていて、季節のよい時期だったら、多くの観光客で賑わっているんだろうなぁ。おもしろいのは、このブロックの建物は、先端に彫刻などの飾りがない。
グローテマルクトの中央には「ブラボー」の像の噴水があるけれど、冬は水が止められているみたい。背景に見える市庁舎の装飾もおもしろい。
一番右側の建物にある観光案内所でアントワープの地図をもらう。アントワープのギルドハウスの建物の装飾もおもしろいけれど、やっぱり今日の私には先端にある彫刻がおもしろい。
写真に写す時に天候はとても大事で、このアングルも晴れていれば、かわいらしい風景でアントワープのグローテマルクトの魅力をもっと伝えられるんだけどなぁ。
グローテマルクトからノートルダム大聖堂を眺めると、ギルドハウスと比較して、いかに教会が巨大な建物であるのかがわかる。
10時前でお店も開いていないので、シュヘルド川に向かって歩いてみることにする。
グローテマルクトに立つ市庁舎の裏手には、すぐにシュヘルド川が流れている。アントワープは港湾都市として発展した町。
川沿いにはステーン城という城塞がある。1月にマルタを訪れてから、都市を防御するための城や要塞を見るのが好き。道路を渡ってステーン城に行ってみることにする。
この銅像はなんだろう?「フランダースの犬」以外に物語があるのかなぁ?シュヘルド川の監視が目的の要塞だったんだろうなぁ。小さいけれど、中世のヨーロッパのお城の雰囲気がよく出ている。
ステーン城は内部の見学はできないみたいで、ただ周囲を歩くのみ。
シュヘルド川を眺める。空には厚い雲があり、天気は回復しそうもない。この川と港があるからこそ、アントワープの町は発展してきた。
10時を過ぎているので、そろそろネロとパトラッシュが見たルーベンスの絵を見るためにノートルダム大聖堂へ向かう。
「地球の歩き方」によると、「1352年から約170年の歳月をかけて建設された、ベルギーで一番大きなゴシック教会」。
6ユーロの拝観料を支払って内部に入ってみると、ゴシック様式の大きな教会。左右には絵画が飾られている。ネロとパトラッシュが見たルーベンスの絵はどれなんだろう?
ネロとパトラッシュの見たルーベンスの絵を見るためにここまで来たけれど、それは私のような「おじさん」だからかもしれない。だって、アニメーション「フランダースの家」が放映されていたのは1975年。私だってリアルタイムで見ていたかどうか覚えていないし、再放送ですら見ていたかどうかも怪しい。「フランダースの犬」を断片的に懐かしのアニメの名シーンとして最終回の場面は見ることはあっても、もはや知らない人のほうが多いかもしれないなぁ。
アニメ「フランダースの犬」の最終回をみると、ルーベンスの描いた「キリストの昇天」および「十字架上のキリスト」の2つの名画こそが、ネロが見たかったルーベンスの絵。これらの2つの名画にはアニメではカーテンが掛けられていて、物語によると当時は特別な料金を支払わないと観ることができなかった。
物語の時代では、特別な料金を支払わないと観られなかったルーベンスの「キリスト昇架」をついにネロは見ることができる。この絵こそがネロとパトラッシュが天国に行く前に見たルーベンスの絵画。
「あぁマリア様、ありがとうございます。これだけで、これだけでぼくはなにも要りません。とうとう、とうとう、ぼくは見たんだ。なんてすばらしいんだろう。」
祭壇の奥にはルーベンスの「聖母被昇天」が飾られている。大聖堂に倒れ込むネロをパトラッシュがみつける。
「パトラッシュ、おまえ、ぼくを探してきてくれたんだね。わかったよ、おまえはいつまでもぼくと一緒だって、そう言ってくれているんだね、ありがとう。」
「パトラッシュ、ぼくは見たんだよ。いちばん見たかったルーベンスの2枚の絵を。だからぼくは今、すごく幸せなんだよ。」
「パトラッシュ、疲れたろう?ぼくも疲れたんだ。なんだかとても眠いんだ、パトラッシュ。」
いつものように教会の椅子に座り、無事に旅行ができることを神に感謝し、教会の静寂を感じる。
アントワープのノートルダム大聖堂の前に「フランダースの犬」の記念プレートがひっそりとある。プレートに書かれているのは日本語のみ!?
「地球の歩き方」にもコラムとして書かれているけれど「フランダースの犬」は日本ではよく知られた物語だけど、現地では結末が悲劇的であるので人気がないらしい。きっと、ネロとパトラッシュが最後に見たルーベンスの絵を見るためにここを訪れようというのは日本人ならではの行動なのかもしれないなぁ。
だって、このプレートも世界のTOYOTAの寄贈で作られたものだもん。
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コメント
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ラコスケさんこんばんは。
ベルギーも、素敵なところですね。
私は、ヨーロッパの曇や小雨の日の白い空が大好きです。
晴れてる日もすっきり気分がよいですが、ヨーロッパの重厚な建物と白い空って、とっても似合うと思います。
投稿: イブ | 2016年7月25日 (月) 00時51分
イブさん、こんばんは。
アントワープのノートルダム大聖堂は、雨だからこそ、てっぺんが霞がかかる雰囲気で、逆に荘厳さを感じたような気がします。
投稿: ラコスケ | 2016年7月25日 (月) 23時28分