冬のマルタ・ヴァレッタ一人旅2日目(5)ヴァレッタでお昼ごはん。
ローアー・バラッカ・ガーデンを出て、お昼ごはんを食べるレストランを探す。出発前に先行研究の他の人のブログをいくつか見たけど、ヴァレッタの町がこんなにも風情がある町だとは感じなかったなぁ。蜂蜜色の町と高さに規則性があるのかよくわからない出窓のある風景にすっかり魅了されている。でも、こんなところに魅力を感じているのは私だけなのかもしれないけど・・・。
出窓の構造がわかる。窓は上開きで、つきだしている部分に洗濯物を干すんだろうなぁ。
そろそろ自分でもしつこいと思うんだけど、どうしても日本車を見ると、同郷の出身者であるように愛着を持って見てしまう。
現在は、平成28年1月14日。えっ?平成27年1月まで車検が有効だったということは、つい1年前まで日本で走っていたということ!?
このトヨタ・パッソは、車検が切れるまでは日本で走っていたんだ。
このパッソは中古車といえどもまだ新しい。以前に訪れたキプロスで見かけた日本車は、1990年代の懐かしい日本車が多かったけど、マルタで見かける日本車は新しいクルマが多い。
マルタに来てつくづく思うのは、今の日本ではこのステッカーは最初から要らない。だけど、マルタでこのシールが剥がされないのは、中古車の中でも新しい車であることを示す証拠になっているのかなぁ?もしかしたら、マルタでは逆にこのステッカーが貼ってあるクルマのほうが、価値が高いのかもしれない。
さらに「保管場所標章」を見ると和歌山県新宮市の出身だということがわかる。那智の滝や熊野本宮、鯨で有名な太地あたりをこのクルマは走っていた。入り組んだリアス式海岸の海を見ながら走っていた。それが、今では地中海を見ながら走っている。なぜか、マルタにいるのに頭の中には那智の滝の風景が思い浮かんでいる。
ヴァレッタの町では八百屋さんはトラックもお店になっているのが普通なのかなぁ。
よくわからないのでマーチャント通り沿いにある“LA PIRA”に入ってみることにする。ガイドブックもなにも見ずに、雰囲気だけで決めたレストラン。
マルタは温暖で1月でも寒くはないので、オープンテラスの席に座る。といっても、道の真ん中だけど・・・。
とりあえず地ビールを頼む。たくさん歩いたのでビールが美味しい。
マルタのローカルなものが食べたいと店員さんと相談して、ローカルフィッシュというのでランプキ“Lampuki”を注文。
ランプキ“Lampuki”は、シイラのことみたい。ハワイではマヒマヒと呼ばれる魚で、なかなか美味しい。
この付け合わせのじゃがいもの香辛料が地中海のハーブの香りというよりは私にはアラブの香りがする。地理的には、イタリアの影響も受けているけれど、アラブ文化の影響を受けていてもおかしくないか。
昼食を済ませて、再び街歩きへ。町を歩いていると、やっぱり小さなカフェが多い。
このお菓子はなんだろう?これは「ハニーリング」と呼ばれるマルタの伝統的なお菓子。私はどうしても見たことのないものや食べたことのないものを見ると好奇心が止まらない。さすがにお昼ごはんを食べたばかりなので今は食べないけれど・・・。ちなみに、パレス広場のカフェ・コルディナにも、箱に入ったおみやげ用の「ハニーリング」が売られている。
観光客向けとは思えない食堂の黒板メニューは“Fried Rabbit”だって。ウサギは普通に食べられているのかなぁ?
ヴァレッタの観光名所ではない町の風景が好き。出発前は、こんなにヴァレッタの街歩きが楽しいとは思っていなかったのに。
国立考古学博物館は、オーベルジュ・ドゥ・プロヴァンス“Auberge de Province”の建物を利用している。すでに聖ヨハネ大聖堂に8つの礼拝堂があることでも知った通り、騎士団は出身地によりフランス、オーヴェルニュ、プロヴァンス、イタリア、イングランド、ドイツ、アラゴン、カスティーリャの8つに分かれており、そのうちのプロヴァンス地方の宿泊所。
マルタの旅のテーマとして考古学に焦点をあてるのもおもしろい。紀元前に建てられた神殿群があり、「巨石文化時代の神殿群」として世界文化遺産にも登録されている。
だけど、私がマルタの女神像を見てみたいと思ったのは、浦沢直樹の「MASTERキートン REマスター」に収録されている「マルタ島の女神」の話を読んでいたから。このマンガを読んで、マルタの「豊穣の女神」を自分の目で見たいと思っていたという単純な理由。
「眠れる女神」像。「MASTERキートン REマスター」の言葉を引用すると、「豊穣の女神」というだけあって、ふくよかな女神が崇拝されていた。
そして、「マルタのヴィーナス」。私の旅のきっかけなんて、高度なものではなく、単純なもの。自分の目で見てみたいと思ったら、そこが目的地。おそらく「MASTERキートン REマスター」を読んでいたことも、マルタに行ってみたいと思った理由の一つかもしれない。
渦巻きの紋章がおもしろい。残念ながら、今回の旅行では遺跡巡りをするほど旅程の時間が取れないので、再びマルタを訪れたときには考古学的な遺跡に焦点を当てて、世界遺産である「巨石文化時代の神殿群」巡りもおもしろそう。マルタって、小さい島だから見所もないかと思っていたんだけど、弾丸旅行では見切れないほどの魅了あるディスティネーション。
「騎士団長の宮殿」には行けていないけれど、だいたいヴァレッタの町を一周する。今日は見られなかった「騎士団長の宮殿」の見学を合わせて、ヴァレッタの街歩きは丸1日あれば十分かもしれない。もっとも、私は「出窓」に魅了されてしまって、しょっちゅう立ち止まり、日本車を見つけるたびに日本で暮らしていた痕跡探しをしていたので、時間がかかりすぎているかもしれないけれど・・・。町中に小さなカフェが多いことが気になっていたので、休憩がてら小さなカフェに入ってみることにする。
カフェ“PREGO”は、ガイドブックを見たわけではなく、適当に入ったカフェだけど、なかなか雰囲気のあるカフェ。
きっと団体パッケージツアーでヴァレッタを訪れたなら観光名所だけを巡って、きっと半日で終了となってしまうだろうけど、ヴァレッタは観光名所ではない町並みがおもしろい。太陽の光をあびて蜂蜜色に輝く建物を見て歩くのが最高にいい。それに冬で良かったのかもしれないなぁ。1月でも温暖なので、むしろ観光にはちょうどいい。
エスプレッソを飲みながら「地球の歩き方南イタリアとマルタ」を見て、次にどこに行こうかを考える。私の旅は、行き当たりばったり。絶対に行こうと思う観光名所は決めておくかもしれないけど、次にどこに行くかは決めていない。公園のベンチに座って考えたり、カフェに入って考えたり、きっとみっちりと計画を立てて行動する人から見れば、無駄な時間を費やすのでイライラしてしまうかもしれない。でも、私は全体の旅程はタイトな弾丸旅行だけど、現地ではのんびり歩くのが好き。
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ラコスケさん、こんばんは(^^)
イタリア旅行から帰ってまいりました♪
南イタリアの方たちはみんなとても優しくて、旅をしていてとても幸せでした。
食事もとても美味しかったです!!
お天気は移動時に雨が降りましたが、観光時は晴れたりと、ちょっとラッキーな感じでした(^_^;)
マテーラはやっぱり本当すごかったです。普通の町中から急に別世界に入ったみたいな・・・不思議な感覚に襲われました。
アルベロベッロはとても可愛らしかったです。
今回はとんがり屋根のお家に泊ることができ、貴重な体験ができました♪
アマルフィでは最初の日にバスでラベッロへ行き、次の日に舟でポジターノにも遊びに行くことができました!
事前にラコスケさんにいろいろと教えていただいたおかげで
充実した旅になりました!
本当にどうもありがとうございました(*^_^*)
今年はもう一度どこかへ行けるチャンスがあると思うので、
またいろいろと教えていただけるとありがたいです。
これからもブログ楽しみにしております。
投稿: りんご | 2016年5月15日 (日) 22時09分
りんごさん、お帰りなさい!
すばらしい旅をされたようでなによりです。そして、天候にも恵まれたようで、本当によかったですね。アマルフィ、マテーラ、アルベロベッロとどれもが特徴的で美しい風景ですよね。私もまた、自分の目で見てみたくなってしまいます。ちなみに私はなにも教えていませんよ。りんごさんが、自分で考えて決めた旅行です。旅の終わりは、再び旅の始まり。これから新しいディスティネーションを探して、ルートを考え始める。旅の計画段階がまた楽しいものです。次はどちらに行かれるのですか?りんごさんのまだ知らないどこかへ行かれるのでしょうか?
投稿: ラコスケ | 2016年5月17日 (火) 22時25分
ラコスケさん、こんばんは(^^)
次はいろいろ迷っていますが、最近はスイスもいいな~(*^_^*)と思っています。
本場のラクレット食べてみたいです!
でも、今回はたぶんフランスのアヴィニヨンに行くことになるかなと思います!
そこから小さな村をいろいろと周ったり、フランスの田舎料理を食べに行ったり
しようかなと♪
あともうひとつ行きたいところをみつけてしまいました!
フランスの南の方のポーという町です。
とても可愛らしい町でいつか行ってみたいなぁと思ってしまいました。
ただ、個人で行くのは大変なのかなぁとほぼあきらめですが(^_^;)
投稿: りんご | 2016年5月19日 (木) 18時17分
りんごさん、こんばんは。
スイスは大きな荷物を鉄道で運んでくれたり、旅行者にとってとても便利なサービスがあるので自由旅行(個人手配旅行)でも、心配ないですね。ちょっと物価は高いですけれど・・・。
アヴィニョンを拠点にプロヴァンスを巡るというのもよいアイディアですね。
そして、ポーなんて、なかなかマニアックなディスティネーションを。ポーは、マテーラやアルベロベッロよりも鉄道が通っているのでよほど行きやすいと思います。バスク地方の中心都市のバイヨンヌを拠点に日帰りもできますし、ついでにルルドにも行けます。そして、2時間ほど列車に乗ればトゥールーズに抜けられます。カルカッソンヌ、私は行ったことがないアルビあたりも周遊できますね。さらに地中海側に抜ければナルボンヌを経て、セートやモンペリエに抜けられます。そのなるとニームを経てアヴィニョンにつながりますね。すべて鉄道でつながりますので、難しくないですよ。
私も次回はフランスの地方パッチワークの旅を考えています。ディスティネーションは検討中ですが・・・。
投稿: ラコスケ | 2016年5月20日 (金) 00時17分