南イタリア・マテーラ・アルベロベッロ一人旅4日目(5)夕ごはんはミラノ風カスレ。
ミラノ中央駅の地下鉄の切符売り場には、観光客につきまとう親切なおじさんがいる。操作をしようとすると寄ってきて、わざわざ自動券売機の操作を教えてくれようとする。あまりにもあからさますぎて、誰でも怪しむだろうと思うんだけど、いまだにミラノには古典的な親切なおじさんがいる。無事におじさんの目を盗み、切符を購入完了。ミラノ中央駅からドゥオーモまでは地下鉄に乗ってしまえばわずか4駅で行けてしまう。
ミラノ中央駅で「親切おじさん」を目撃してしまったため、ちょっとだけ周囲を警戒しながら地下鉄に乗り、ドゥオーモ駅に到着。駅の階段を上るとそこはドゥオーモ広場。目の前にはいきなり巨大なドゥオーモがそびえ立つ。
内部が広い。大きい。さっそくドゥオーモの中に入ると、ゴシック様式であることがわかる。それにしても内部の空間が大きすぎる。ここへ入るのは2回目のはずなんだけど、まるで初めて訪れたかのように大きさに感動する。
日曜日夕方のドゥオーモ広場は、恋人同士で抱き合ったり、多くの人々で賑わっている。こういうときに一人旅はちょっと寂しくなる。
ガラス張りのアーケード街「ガレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世」も人でいっぱい。
イタリアでは日曜日でもお店が開いている。フルラに入り、女子用の財布は必要ないので、自分用に男性用の財布がないか探してみるけど、今ひとつ気に入らない。私が彼女の顔を思い浮かべながら女子用の財布を選ぶ日は来るのだろうか。もしもプレゼントだとしたら、自分用の財布を選ぶにも迷うんだから、もっと迷うだろうなぁ。
へぇ、日曜日夜でもデパートのラ・リナシェンテが開いている。デパートでデザイン性の高い雑貨などをけっこう見入ってしまう。
ミラノって、観光名所はあまりないけど、ショッピングストリートがコンパクトにまとまっていて、ストップオーバーする都市としては好きかもしれないなぁ。
以前から気になっている「極度乾燥(しなさい)」は、ミラノにもあるということはすでにヨーロッパでは有名なブランドなんだろうなぁ。
だけど、もはや日本語と漢字文化が混同してしまっており、“TRADE.MARK.JPN”の“JPN”は違うんじゃない?とつっこみたくなる。
お店をのぞいたりしているうちに、すっかり辺りは暗くなる。ライトアップされたドゥオーモもいい。
ミラノでは古典的なミサンガ売りが地下鉄の出口のところで獲物を狙っている。ミラノでは自動券売機につきまとうおじさんといい、ミサンガ売りといい、気をつけなければならない連中があからさまにいる。古典的な手段でだまされる旅行者が多いのかなぁ。たしかに、初めてのヨーロッパ旅行はイタリアという人が多いのかも。
そろそろ夕ごはんの時間なので地下鉄に乗り、ミラノ中央駅に向かう。夕食を食べるとワインもたいてい飲んでしまうので、酔っ払ってから地下鉄に乗りたくないので、パリでもホテルから徒歩圏内で食事を取ることがほとんど。
ホテルには戻らず、駅前広場からレストランを目指す。今日のレストランは、日曜日に開いているレストランは限られてしまい、ミラノ駅周辺で日曜日もやっているレストランをあらかじめ調べておいた場所。評判がいいというよりは、日曜日でも確実にやっているという選び方だったりする。
「オステリア デル テレノ」に着いてみると、なかなか雰囲気の良さそうなオステリアじゃない。
オステリア デル テレノ
l'Osteria del treno
http://www.osteriadeltreno.it
予約なしでも席に着くことができたので、さっそく炭酸水を注文。
そして、グラスワイン。アンティパストは頼まずに1品目はパスタ料理を注文。私の好奇心は、どうしてもパスタ料理の「パッパルデッレ」ってなんだろう?という好奇心を抑えられない。だって、まだ知らない食べ物って、オレッキエッテのようにものすごくお気に入りになるものだってある。人生、知らないで終えてしまいたくないじゃない。
「パッパルデッレ」“Pappardelle al ragù d'anatra”が運ばれてくる。
へぇ、「パッパルデッレ」は、きしめんよりも幅が広いパスタ。ミートソースにからまってなかなか美味しい。たぶん、今日「パッパルデッレ」を食べなかったら、一生「パッパルデッレ」を味わうこともなかったかもしれないなぁ。
メイン料理はミラノ風カスレ“La Cassoeula alaa Milanese”。カスレというと、トゥールズやカルカッソンヌあたりのフランス南西部の名物料理で、味が濃厚で美味しいんだけど、濃厚すぎて一度食べるとしばらくはいらないという料理。
カスレは、フランス南西部ではいんげん豆と肉類の煮込み料理なんだけど、ミラノ風はキャベツになっており、味も濃厚すぎずに美味しい。このオステリア、なかなかよかったかも。
今回のイタリア旅行で最後の夜なのでデザートも発注する。デザートメニューの中で、唯一理解できなかった“Sfogliatina di ricotta con salsa d’arancia”を注文。あえて理解できなかったものを頼んでしまうのが私の悪い癖。だけど、まだ知らないものを知らずに人生を終えたくはないじゃない。
“Sfogliatina”ってなんだろう?と思ったら、ふわふわしたスポンジ生地。挟まれているリコッタチーズがおいしい。
今回のイタリア旅行で最後の晩餐。エスプレッソを飲みながら、ゆったりと食後の余韻を楽しむ。
ホテルに戻り、バーリから持ち帰った荷物を整理する。スーパー袋を開けてみると、オレッキエッテ通りで買ったオレッキエッテがこんなにいっぱい入っている。こんなにいっぱい、どうすればいいかは日本に帰ってから考えるとして、南イタリアを去っても、南イタリアの風景が思い出され、なかなかいいバーリみやげになった気がする。
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コメント
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慣れないもので、自動券売機の前でモタモタしてしまうんですよね~
そうすると親切な?おじさんやおばさんが待ってましたとばかりに・・・
餌食になってしまうのよー
投稿: ユリコ | 2015年6月 6日 (土) 17時34分