南イタリア・マテーラ・アルベロベッロ一人旅2日目(6)マテーラの洞窟レストランで夕ごはん。
サッシ地区の坂を登り、ドゥオーモ通りに入るとイタリアらしい町並み。サッシ地区ではほとんど見かけなかったクルマが普通に駐車している。
マテーラの町歩きの「へそ」であるヴィットリオ・ヴェネト広場に戻ってくる。この広場とドゥオーモの位置だけを把握しておけば、サッシ地区の町歩きは迷うことはないかも。最初にこの広場に来たときには、よく調べずにすっかり通り過ぎてしまったけど、サッソ・バリサーノ地区を見下ろすことができる展望台になっている。
ヴィットリオ・ヴェネト広場からサッソ・バリサーノ地区を見下ろす。すでに他の展望台からサッシのすばらしい風景を見てしまっているので、あまり感動を感じない。やっぱり最初にここに着いたときに見ておくべきだったかも。
彩色されていた痕跡があるので、この洞窟も美しかったのだろうなぁ。
洞窟を抜けると、サッソ・バリサーノ地区に下りる道になっている。
2月13日はまだ日が短く日が傾いてきたので、ヴィットリオ・ヴェネト広場を去り、そろそろホテル・イル ベルヴェデーレ(Il Belvedere)に戻ることにする。
よく見てみると、プルガトリオ教会のガイコツのレリーフがやっぱりおもしろい。
ロッキージョー“Rocky Joe”はイタリアでは人気なのかなぁ?「あしたのジョー」は、私の年齢でもリアルタイムには見ていないので、すでに年配の人しか知らないかも。
パスコリ広場の展望台から夕方のサッソ・カヴェオーソを眺める。こんなに絶景なのに、特等席のベンチが空いている。特等席のベンチにひとり座り、しばらくぼーっとサッソ・カヴェオーソを眺める。
こんなに感動的な風景を特等席のベンチで見ているのに、なぜ私の隣にこのすばらしい風景を一緒に共感できる人がいないんだろう。一人旅は慣れているはずなのに、マテーラの町にどことなく寂しげな雰囲気を感じるのか、いつも以上に人恋しい。
夕暮れが近づくマテーラのサッシの風景を特等席のベンチで眺めながら、しばらくぼーっと過ごす。団体パッケージツアーと違って、個人旅行は好きな場所に好きなだけ見ていることができる。
特等席のベンチにひとりでいると寒くなってきたので、ホテルに向けて歩き出す。
イル ベルヴェデーレ(Il Belvedere)
http://www.hotelbelvedere.matera.it
テラスには誰もおらず、またしても、この風景を私一人で独り占め。パスコリ広場の展望台から見たよりも、さらに日が傾き、まさしく夕暮れのサッソ・カヴェオーソを眺める。この展望台からの風景を見たくてこのホテルを選んだんだけど、期待通りのすばらしいパノラマ。
こんな雄大な風景をテラスに座り、貸し切りで見ることができるなんてなんて幸せなんだろう。
うーん、でも、せっかくのこのすばらしい風景を独り占めするのではなく、やっぱり大切な人とこの風景を共感したいなぁ。この美しい風景を一緒に見るだけで、言葉は要らない。ただ、一緒にいてくれればいい。感動的な風景を共感できる人がいないことが寂しくて仕方がない。今日は本当にどうしたんだろう?一人旅には本当に慣れているのに、風景がすばらしいからなのか、寂しげな雰囲気を感じるのか、いつも以上に人恋しい。
夕食はホテルのスタッフに近くにあるおすすめのレストランを聞いて、そのレストランに向けて歩く。
教えてもらったレストランは、ホテルから5分くらい歩いた場所にあるトラットリア・デル・カヴェオーソ“Trattoria del Caveoso”。
イタリアの夕食の時間は遅く、20時過ぎにホテルを出たんだけど、2月のオフシーズンのせいか、お客さんがいない。でも、洞窟レストランの雰囲気がなかなかいい。
お昼のレストランと同じ形のパンが出てくる。やっぱり、これがマテーラのパンなんだろうなぁ。しっかりと麦の味を感じて美味しい。
お昼にオレキエッテを食べてから、そのもちもちとした食感がすっかり気に入って、きのことソーセージのオレキエッテ。今回、南イタリアに来なければ「オレキエッテ」なんていうパスタを知ることもなかっただろうなぁ。そして、このもちもちとした食感を知ることもなかった。やっぱり、「まだ知らないどこか」を旅しなければわからないことがある。
鱈はポルトガル、スペイン、南フランスなどでもよく食べられている食材だけど、南イタリアにもあるんだと思って、メイン料理は鱈料理にしてみる。料理方法の中でも私は煮込み料理って好き。
デザートは頼まずに、エスプレッソを飲み、食後の余韻に浸る。イタリアの夕食は遅い。ようやく、私が21時過ぎに食事を終える頃になってからお客さんが入り始める。
今日3回目だけど、パスコリ広場の展望台からサッソ・カヴェオーソの夜景を眺める。夜21時すぎのパスコリ広場は人通りもあり、嫌な感じはしない。夜の闇に浮かぶサッソ・カヴェオーソの風景を、まるで私の予約席のように空いている特等席のベンチに座りながらしばらく眺める。予約席には2人で座れるのに・・・。
美しい夜景だけど、街灯の明かりは目に付くけど、生活の灯りを感じない。洞窟住宅の窓を取ることができない特性なのか、それともここで生活している人がいないのか。町を歩いていても、クルマもなければ商店もなく生活感を感じず、むしろ中世のヨーロッパの町を再現した映画のセットのようなサッシ地区。町に生活感がないから、町から寂しさを感じるのかなぁ。それとも単純に、私が今、寂しさにあふれていて、愛する人を求めているのだろうか。
この不思議な感覚は、ガイドブックや写真を見ても、実際にマテーラを訪れないとわからないかもしれないなぁ。出発前の旅程を組む段階では、マテーラよりもアルベロベッロのトゥルーリのある風景に魅力を感じていたんだけど、実際に訪れてみるとマテーラの町歩きは楽しかった。夜のマテーラは人通りも適度にあり、夜道でも危険な感じはせず、ホテルに無事に帰る。
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コメント
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ラコスケさん、こんばんは(^^)
以前コメントさせていただきました、りんごです。
今回、GWに南イタリアに旅行に行くことになりました!
ラコスケさんのブログ、とても参考になっております。
今回の旅行は食事付きではないので、
よかったレストランなどあれば教えていただけると嬉しいです。
マテーラにも宿泊する予定なのですが、ホテルはサンジョヴァンニバティスタ教会まで歩いてすぐのところみたいです。
ブログのレストランもとても美味しそうですね!
投稿: りんご | 2016年4月 5日 (火) 00時15分
りんごさん、こんばんは。
南イタリア旅行、いいですね!
おすすめレストランですが、私は「知ったかぶり」が嫌いなので正直に申し上げますと、滞在中に2件のレストランしか経験していないために、おすすめレストランと言えるだけのレストランは紹介できません。ダ・マリオは地球の歩き方掲載のレストランですが、カブのオレキエッテは美味しかったです。この記事のレストランは、ホテルのレセプションで近くで紹介していただいたレストランです。ガイドブックなどで情報が得られないときは、誰でも使うテクニックだと思いますが、ホテルで聞いちゃいます。
投稿: ラコスケ | 2016年4月 7日 (木) 00時00分
ラコスケさん、こんばんは(^^)
お返事どうもありがとうございました。
ホテルのレセプションで聞かれるなんて(>__<)
なかなか上級テクは難しいです。。。
ダ・マリオ行ってみようと思います!
日本語メニューもあるみたいですね♪
カブのオレキエッテがあったら食べてみたいです(*^_^*)
どうもありがとうございました。
またいろいろ教えてください!m(_ _)m
投稿: りんご | 2016年4月 9日 (土) 00時02分
りんごさん、こんばんは。
最初は上級テクニックに思えるかもしれませんが、ホテルのレセプションで聞いてみてしまったほうがいいと思いますよ。現地の情報は現地の人に聞くのが一番いいです。ホテルのレセプションのスタッフは、しょっちゅう聞かれていることなので、レストランを紹介するのには慣れていますので、“Good Restaurant”とカタコトの単語だけでもきっと通じます。初めの一歩目を踏み出せば、「まだ知らない」世界がきっと見つかりますよ。
投稿: ラコスケ | 2016年4月10日 (日) 21時38分
ラコスケさん、こんばんは(^^)
コメントどうもありがとうございます!
そうですね!今回は勇気を持って聞いてみようと思います♪
まだ知らない世界・・体験してきます!
今回はマテーラの他にアマルフィ、ナポリ、アルベロベッロに行く予定です。
アマルフィではポジターノとラベッロというところに行きたいと思っているのですが
あまり時間がないのでお薦めがあればお聞きしたいです。
ナポリとアルベロベッロは共に少し時間に余裕があります。
ナポリは美術館にも行きたいと思ったのですが、一日で観光と美術館めぐり両方はやはり厳しいですよね(>_<)
いろいろと質問だらけですみませんm(_ _)m
追伸、新しい記事読みました!マルタに行かれたのですね♪
私も今、「南イタリアとマルタ」の地球の歩き方でいろいろ計画しております☆
ブログの更新楽しみにしています。
投稿: りんご | 2016年4月11日 (月) 18時33分
りんごさん、こんばんは。
私は知ったかぶりをしたくないので正直にお答えしますと、ラベッロには行ったことがありませんので、判断できません。でも、「地球の歩き方 南イタリアとマルタ」のラベッロを見る限り、行ってみたいですね。私の場合は、まずは代表的なポジターノの風景を見たくて、ポジターノを選択してしまいましたが。私の考え方は、自分の目で見たいと思ったら行ってみる。お勧めなどは関係なく、りんごさんの自分の目で見たいと思ったところを訪れればいいと思います。
絶対に訪れておきたい場所は決めるかもしれませんが、私は出発前にコースを決めません。いいなぁと思えばゆっくりしてしまいますし、有名な観光名所でもほぼ素通りの場合もあるので、地図を見ながら次はどこへ行こうかとその場で考えるので、行き当たりばったりです。それに、私の場合は可能な限り天候を考慮します。晴れていれば観光重視、雨だったら美術館重視となります。移動も午前中に移動するか、午後に移動するかは天候次第で決めています。夏のヨーロッパはサマータイムで日が沈むのが遅いので、観光は夜までできますので、入場時間が決まっている場所でなければ、夜でも楽しめるはずです。
旅行者出発前の計画段階が「まだ知らない」ディスティネーションへの不安も感じながらも、楽しいですよね!
投稿: ラコスケ | 2016年4月12日 (火) 23時24分
ラコスケさん、こんばんは(^^)
マテーラの夜景とても綺麗ですね!
あと、昼間の風景もとてもお写真が美しいです(^^)
様々な高台からのショットだと思われますが、、
歩き回るのは結構時間がかかりましたでしょうか?
私は一泊する予定で、前日は16時頃入って、翌日16時出発とだいたい一日あります。
時間あるかな~(>_<)ちょっと心配です。
投稿: りんご | 2016年4月24日 (日) 18時17分
りんごさん、こんばんは。
バーリ空港から10時半ごろに到着して、その後にホテルに立ち寄ってから歩き始めていますので、歩き回るだけであれば半日あれば十分でしょう。もっとも、私は観光名所を最初から網羅するつもりはないので参考にならないかもしれませんが・・・。
この時期のヨーロッパは、おそらく日没が20:30あたりではないでしょうか?日没が遅いので町歩きが夜までできるので十分に時間があると思います。初日にマテーラを歩いてみて全体像をつかんで、翌日は入場観光できる場所を歩くという感じでしょうか。
Bon Voyage !
投稿: ラコスケ | 2016年4月24日 (日) 22時34分