初めての秩父夜祭2014(前編)
2014年12月3日水曜日、飯能駅北口。たまたま、仕事が休みだったので、埼玉県人のくせに行ったことのない「秩父夜祭」に行ってみようと思い立つ。埼玉県西部に住んでいながら、どうしても12月の秩父は寒そうなイメージがあって、秩父夜祭には行ったことがない。そして、そもそも秩父に電車で行くことがない。たぶん、高校の遠足で浦山口に行くのに西武秩父線に乗って以来、実に25年間も秩父まで電車で行ったことはない。だって、秩父へは国道299号線をクルマで走って行くものだから。
西武秩父行きの電車が30分に1本なので、時間つぶしに飯能駅周辺を散歩することにする。丸広百貨店飯能店はもはや東飯能駅に移転しておりかつての場所には存在せず、平屋建てのスーパーになってしまっている。
せっかく飯能に来たのだから、飯能名物「味噌付まんじゅう」の新島田屋へ。
味噌付まんじゅうは、焼いた酒まんじゅうに味噌のたれをからめる。味噌をつけたあとは焼かない。
飯能市街もまず歩くことがないので、ちょっと楽しい。車で走るのと、歩いて町を歩くのとでは感じ方が全然違う。
飯能高校の高校生の集団のあとについて、きっと飯能駅への近道に違いないと思って細い路地を歩いてみたり、ほんの少しの飯能散歩もなかなか楽しい。
飯能駅から西武秩父までは特急で40分、各駅停車で50分と実質的には10分くらいしか変わらない。さすがに池袋からの直通列車の14:12発西武秩父行きの特急は満席。
満席になる前にレッドアローの特急券を購入しておいたので、特急レッドアローで西武秩父へ。特急レッドアローには大きな欠点があって、座席の向きが池袋駅から進行方向に向いているんだけど、西武秩父に向かうには飯能駅でスイッチバックするために、西武秩父駅までずっと後ろ向き。ガラガラだったら、もちろん座席を進行方向にひっくり返せばいいんだろうけど、さすがに満席なのでそうはいかない。
西武秩父駅に到着し、駅前広場はお店がいっぱい出ていて楽しい。
なぜプジョー208で来なかったかと言えば、お祭りの道路規制と駐車場がよくわからないのと、お酒が飲めなくなるから。屋台をのぞいてみると武甲正宗の熱燗に、ホットワインかぁ。
さっそく、武甲正宗の熱燗を飲んで体を温めることにする。クルマを自宅に置いて西武秩父線で来て正解。
西武秩父駅前の観光案内所でもらったパンフレットで初めて秩父夜祭の概要を知る。秩父神社に祀られている女神妙見様と武甲山の男神が1年に1度、秩父神社と武甲山を結ぶ線上にある「御旅所」で逢い引きをするというお祭。その「御旅所」に向かうこの団子坂という坂を山車が登るのが秩父夜祭のクライマックスらしい。たしかに、人が引っ張ってこの坂を登るのは大変かも。
「御旅所」は広場になっており、観覧席は有料。一般の人が立ち入れる場所もあるけど、すでに15時台から三脚を立てて陣取っているカメラマンがおり、かなり気合いを入れて早くから場所取りをしないとそのクライマックスシーンは見られない。
石灰石が掘り出される前の武甲山は、もっと男らしい山だったんだろうなぁ。
「関東甲信越で有名な」珍達そばが気になってしまう。しかも、中途半端な「関東甲信越」で有名な珍達そばって!?どうしても、食べてみたことのない名前の食べ物を見ると気になってしまう。中途半端な時間だけど、ここは入ってみるしかないでしょ?
700円の珍達そばを注文。小さなお店なのに、先に食券を買うとのこと。どこかに券売機でもあるのかと思ったら、赤い小さな紙切れが食券らしい。
そして、珍達そばが運ばれてくる。ネギと豚肉が煮込まれており、ごま油が香るスープに極細麺で、なかなか美味しいじゃない。絶対にたまに食べたくなる味。たしか国道299号線の横瀬あたりにも「珍達そば」を見たことがある気がする。たまに食べに来ようかな。
秩父神社に向かって歩いてみることにする。お祭りとあって、露店も出ているし大勢の人。クルマで来ると町を歩くことがないから、埼玉県人でありながら、初めての秩父町歩き。
和菓子屋さん「菓子処わたなべ」で、ふと「すまんじゅう」が気になる。「すまんじゅう」って、なんだろう?見た感じは「酒まんじゅう」そのものなんだけど・・・。どうしても興味を持ってしまったものは買ってみる。自宅持ち帰り用に5つ入りの「すまんじゅう」を購入。
すると、七輪で焼かれていた「すまんじゅう」をひとつもらう。全員にあげているわけじゃないのに、なぜ私にだけくれたんだろう?焼き色が入った焼いたすまんじゅう、甘さ控えめのあんがなかなか美味しい。だけど、珍達そばを食べたあとなので、すっかりお腹がいっぱいに・・・。
細い路地にはお店や露店が並び、楽しい。なかなか、一人でお祭りに行くことがないからなぁ・・・。
たった1本の路地を歩いているだけなのに、秩父には新しい発見がいっぱい。お肉屋さんの安田屋さんの売りの「味噌漬」も気になってくる。猪肉や豚肉をみそ漬けにしたものだけど、考えただけでも美味しそうじゃない。フランスの町歩きはしょっちゅうしているくせいに、今まで秩父の町歩きをしてこなかったことを後悔し始める。
安田屋の角を曲がった古びた建物の「パリー」ってなんだろう?「パリ」ではなく「パリー」って、どういう意味でネーミングしたんだろう。「お食事処」や「ラーメン」というのぼりがあるから食堂?
レトロな雰囲気を演出しているのか、本当にレトロな食堂なのか。「パリー食堂」、いつかここで食事をしてみるぞ。町歩きは、なにもヨーロッパに行かなくともどこでも楽しめる。今回の場合、ただ「秩父夜祭」を見てみたいという単純な動機で来ているので、秩父についてなにも下調べをしていないから、逆にとても新鮮に町歩きを感じる。先入観を脱ぎ捨てて、町を新鮮な気持ちで楽しむということが大切な気がする。「まだ知らないどこか」は、なにも海外にあるとは限らない。身近な町だって、偏見や先入観を捨てて、新鮮な気分で探検すればきっと新しい発見がある。
秩父神社の境内の中に入ると、「中近笠鉾」と「宮地屋台」が展示されている。これらの屋台が市内を曳き回されるのを考えると楽しみ。
秩父神社境内では神楽を見ることができる。そして、秩父神社に参拝することにする。今日は、せっかく武甲山の男神と秩父神社の女神妙見様との逢瀬の機会なのに、一人で秩父神社へ。(後編に続く)
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