弾丸ドゥブロヴニク大作戦4日目(2) ベオグラード航空博物館。
空港から道に迷わなければ徒歩5分ほどの場所にある「ベオグラード航空博物館」を目指す。途中で案内標識などはないので、実は道に迷って2度ほど道を尋ねて、無事に到着。今回のベオグラード空港での乗り継ぎ時間は、最初からここに来ようと計画していた。なにしろ、この航空博物館は珍しいものが展示してあるらしい。
看板もないし、階段の煉瓦も痛んでいる感じだし、そんなに新しいものではない感じ。
旧ユーゴスラビアのナショナルフラッグだったJAT航空のジェット旅客機が展示されている。塗装も薄くなり、保存状態はあまりよくないかも。
こんなところでカラベルと会えるとは。初めて見るフランス製のジェット旅客機、シュド・カラベル“SE 210 Caravelle”。
奥に見える飛行機は展示されているというよりも並べられている感じ。
ジェット戦闘機は高度な技術で造られていると思いきや、ミグ21は手作り感あふれる感じ。
旧ユーゴスラビアならではだと思うんだけど、旧ソ連製の戦闘機が展示されていると思えば、アメリカ製のジェット練習機T-33が展示されており、不思議な感じ。このT-33は、1999年11月に埼玉県狭山市の入間川河川敷に墜落し、高圧送電線を切って都内に停電を引き起こした事故を起こすまでは入間基地に配置されており、20世紀最後まで東京近郊の空を普通に飛んでいた。
この博物館のすごいところは、なんといっても、アメリカ軍の最新の無人偵察機が展示されているところ。軍事機密というべき最新の無人偵察機RQ-1プレデターが展示されている。なぜ、アメリカ軍の最新の無人偵察機がこんなところで・・・。その理由は・・・。
ユーゴスラビア紛争時に撃墜した敵国の機体を展示してあるところが、この博物館のすごいところ。たしかに、撃墜されただけあって、機体は痛んでいる。
フランス製無人航空機“Creserell”。1999年5月26日撃墜。
フランスも無人航空機を造っていたことをベオグラードで初めて知る。
そして、他のブログなどの先行研究でも有名なのはこのコーナー。
F-16Cファイティングファルコン。1999年5月2日北西セルビアにてミサイルを被弾し、墜落。
アメリカ軍の現役戦闘機F16Cの垂直尾翼が展示されている。もちろん、墜落したものだけど。
そして、さらに当時の最新鋭ステルス攻撃機F117までもが展示されている。もちろん、1999年5月27日に地対空ミサイルによって撃墜されたもの。ステルス機といえども、普通に地対空ミサイルで撃墜されるものなんだなぁ。
そして、ステルス攻撃機の主翼の一部。破断されているからこそ、構造を見ることができる。
ステルス攻撃機の主翼の素材はなにでできているんだろう?もちろん、当時のアメリカの最新鋭ステルス爆撃機の高度な技術は第三国に売られたんだろうなぁ。
今では、エアセルビアはエティハド航空の子会社のような存在だけど、旧ユーゴスラビアのJAT航空時代はナショナルフラッグキャリアとして、世界中に飛んでいたのだろうなぁ。
カフェのコーナーなんだけど、無機質な感じがなかなかいい。日本のちょっと前の官製設備も似たような風景なので、なんとなく懐かしさを感じてみたりして。○○市立博物館の食堂の風景と言われても、そんな感じに見えるでしょ?
ベオグラード航空博物館、なかなか撃墜した敵国の飛行機を展示しているところはないので興味深かったとともに、つい最近までここでは戦争があったということを感じる。現在は美しい風景を探して自由に旅行をできる平和の尊さを感じる。やはり、戦争の悲惨さは忘れてはならない。過去の過ちを忘れてしまえば、きっとまた人類は同じ過ちを犯すだろう。
ベオグラード航空博物館をあとにして、ベオグラード空港に向かう。
セルビアでも、見ても車種がわからないクルマを見かける。西ヨーロッパ諸国とは異なるクルマが流通しているのかなぁ。単に私が勉強不足なだけなのかなぁ?
出国する前に、再び、朝ごはんを食べた空港のカフェへ。実は、テーブルに置かれているメニューに気になるものがあって、どうしても確かめたいものがある。
生オレンジジュースと共に“KREMPITA”。今回の旅行で旧ユーゴスラビア3カ国を周遊したわけだけど、私が興味を持ったのは、このクリームパイ。このクリームパイ、ドゥブロヴニク、コトル、そしてベオグラードでも当たり前のように置かれているけど、旧ユーゴスラビア全域で食べられているものなのかなぁ?もっと広い範囲で食べられているものなのかなぁ? なんだか、こうなったら旧ユーゴスラビア各国を周遊して、クリームパイの実態を調べてみたくなってきた。
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