いよいよストラスブールを発ち、パリに向かう。ノートルダム大聖堂からストラスブール駅に向かって歩く。おみやげ屋さんをのぞいてみる。
クグロフの型などが置かれていてちょっと楽しい。料理が趣味だったら、クグロフの型とかもおもしろいかもしれないなぁ。
ストラスブールのメイン通りの“Grand Rue”を歩き、ストラスブール駅に向かう。
昨日、ヴァンショーを飲んだカフェを過ぎ、オテル・ヴァンドーム“Hôtel Vendôme”に立ち寄ってスーツケースを引き取る。
パリに向かう時になって、いい感じの青空。こんなにきれいな青空が出るんだったら、もう一度、コルマールやストラスブールの町を歩いて写真を撮り直したくらい。
今回は旅程を組むのがぎりぎりだったのでTGVの事前割引の切符が買えなかったのと、ストラスブールを発つ時間は事前に決めたくなかったので、出発直前に黄色い自動券売機で切符を買うことにする。
慣れてしまえば、自動券売機で切符を買うのは簡単!ストラスブールを14:46発のTGVに乗れば、2時間20分ほどで、パリ東駅に17:05に到着する。
へぇ、ストラスブールから14:50発ブリュッセル南駅行きの列車が出ている。ルクセンブルクなどを経由してブリュッセルに向かうみたい。これでブリュッセルに行くのもおもしろいかも。でも、TGVでリール経由のほうが速そうだけど。
入線するホームが表示されたので、ホームに上がり、列車を待つ。
反対側のホームに停車中のTGVはどこにむかうのかな?
17号車がホームのどのあたりに停車するかを確認する。列車が入線して、TGVに乗り込むと、男性が急に私のスーツケースをTGVの荷物置き場に抱え上げてくれる。なぜ、他人の重たいスーツケースを親切にあげてくれるんだろう?しかも、女性ならまだしも、男なのに。重たいのはわかっていたので、私も手伝って無事に荷物を収容。でも、なぜ親切に荷物をあげてくれたんだろう?
私の青色のスーツケースは座席から見える位置に置く。この青色のスーツケースは、2012年秋のブルゴーニュ旅行の際はパリ・シャルル・ド・ゴール空港で行方不明となり、翌日にリヨンで再会した10年以上使っている愛着のあるエース製サムソナイトのスーツケース。
TGVは田園風景をパリに向けて走り抜ける。
テーブルを広げて、傾かないように大切に入れていた箱を取り出す。私のデイパックの中には、プラスチックのフォークが入っている。
ケーキの名前は覚えていないけど、クリスチャンのケーキ、なかなか美味しい。
そしてTGVはパリ東駅に到着。
ヨーロッパのターミナル駅はホームの端まで歩かなくちゃならないから、けっこう大変。
フランスには毎年来ているけど、実はパリに立ち寄るのは2年ぶり。最後にパリに立ち寄ったのは、たぶん2011年11月にモロッコに行った時。パリは買い物をするのには便利だけど、もはや、私はあんまりパリ観光をする気がないんだもん。
パリは曇り空。今回、パリのホテルは移動が面倒なのでパリ東駅前のホテルにする。理由はたった1泊しかしないのに、パリの中でメトロに乗っての移動が面倒だから。パリ東駅からRER-B線の空港行きのRERが出るパリ北駅まではメトロで1駅だし、今回は交通の便を重視。

たまたまキャンペーンで朝食つきで安かったので大型チェーンホテルのホリデーイン“Holiday Inn Paris - Gare De L'est”を予約。本当にパリ東駅の真ん前で、駅から見える。
Holiday Inn Paris - Gare De L'est
http://www.ihg.com/holidayinn/hotels/jp/ja/paris/parge/hoteldetail
チェックインをして、エレベータを上がると、ホリデーインのWEBから直接予約したためか、格安料金なのにエグゼクティブルームと書かれた部屋だった。
さすがエグゼクティブルーム。なかなか広いお部屋。
しかもバスタブ付き。
さすが世界チェーンのホテルだけあって、コンセントも様々なプラグに対応。だけど、ホリデーインパリ東駅の最大の欠点は、部屋にWIFIがない。部屋にLANケーブルが来ているのでPCを持っていればつなぐことができるのかもしれないけど、1階のロビーまで行かないとWIFIがつながらない。ビジネス客もいるだろう大型チェーンホテルなのに部屋でWIFIがつながらない。
部屋の準備も済んだので、食事に行こうとしたら、ズボンの前ポケットに入れていた小銭入れが見当たらないことに気がつく。
あれっ?気のせいかと思って荷物を再度整理してみるけど見つからない。
といってもストラスブール駅に行く途中でクグロフを買うときに小銭を5ユーロ分使ってしまったので、せいぜい3~4ユーロと細かい硬貨くらいしか入っていないし、日本円換算で5~600円分も入っていない。しかも、小銭入れそのものは100円ショップで買ったビニールケースなので、なくしても痛くもかゆくもない。うーん、それにしても、どこで落としたのかなぁ?
思い当たることと言えば、もしかして・・・。
唯一考えられるのが、ストラスブール駅でTGVに乗り込んだときに、男性にスーツケースを急に持ち上げられた時に男性と一緒にスーツケースを持ち上げたこと。他人のスーツケースを、しかも男性が男性のスーツケースを親切にあげてくれることがおかしいよね。あの男がスリだったんだろうなぁ。かといって、予測できない動作だし、急に持ち上げてくれたことを疑うわけにもいかないから、あの場は防ぎようがない。白人系の人で、服装もしっかりしており、ビジネスかばんを持っている人だったから、警戒心も薄かったなぁ。
そもそも、以前は、小銭は小銭入れなどに入れず、ズボンのポケットに直接入れていた。最近はポケットがジャラジャラするし、取り出しづらいから100円ショップのビニールケースに入れるようになっていた。利便性よりも、以前のようにポケットに入れておけば良かったかもしれないなぁ。やっぱり、「フランス旅行は慣れている」という油断があったんだろう。今回のアルザス旅行で「初心忘るべからず」と神様が教えてくれたんだろうなぁ。
まぁ、過ぎてしまったことはいつまで考えても仕方がないので、夕食を取るために外に出ることにする。わざわざメトロに乗ってレストランに行くのは面倒なので、パリ東駅前で適当にとることにする。
なにも考えずに名前の通りパリ東駅前にある“Café de l'est Paris”に適当に入ってしまう。
Café de l'est Paris
http://www.cafedelest.com
まだアルザスの気分なので、頼むのはビール。アルザス方面に向かう列車の発着駅であるパリ東駅前とあって、このレストランのスペシャリテはシュークルート。アルザスビールの代表的な銘柄といえば、クローネンブルグ“1664”だけど、そういえば今回の旅行ではストラスブールでは“1664”を飲んでいない気がする。
煮込み料理が食べたくて、仔牛の頭のココット煮込み“Tête de veau en cocotte , pomme vapeur , sauce gribiche”を注文する。パリの普通のレストランで内臓系の肉料理を食べるのって好き。写真だとさっぱりした感じだけど、これにマヨネーズみたいな「ソース・グリビッシュ」をつけて食べると、コラーゲンたっぷりの仔牛の頭、そしてじゃがいもがなかなか美味しい。
エスプレッソを飲みながら、考える。今日は小銭を失ってしまったけど、よく考えれば、なくなったのは、取られてもいいような額の小銭だけ。パスポートはもちろんのこと、ズボンの尻ポケットに入っていたクレジットカードの入った財布もiPhoneもカメラも取られていないから、必要な貴重品の防御はできていた。振り返ってみても、身なりも怪しい感じではなかったし、あの場では防ぎようがなかったし、貴重品は防御できていたし、怖い思いをしたわけでもないし、まぁ「初心」を気がつかせてくれた勉強代と思えば安いものかな。
1つの国に何度も旅行すると、いい意味での慣れと悪い意味の慣れが出てきて、慣れているがゆえに自分は何でも知っているというような「おごり」が出てくる時がある。そんな「おごり」があったのかもしれないなぁ。そのような「おごり」があると、ブログを書いても「私は何でも知っている」という鼻を突く自慢話になってしまう。
明日は、今回の旅行で最終日でありながら、ひさびさにパリを歩く日。明日はパリに初めて来たときのドキドキ感を思い出しながら、旅をしてみよう。今日はいろいろあったけど、初心に戻ってパリを楽しむ気持ちに気がつかせてくれた神様に感謝しよう。
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