初めての南フランス・ランドック-ルシヨン一人旅2日目(4)セルベールからコリウールへ
2013年10月20日、日曜日。スペインのポルトボウ駅を出発し、トンネルを抜けるとそこはフランス領のセルベールという小さな町。
ポルトボウ駅と同じように、フランスは1435ミリの標準軌とスペインは1668ミリのイベリアゲージと線路の幅が違うために相互乗り入れできないためか、フランス側でも電気機関車がたくさんある。
フィゲラスから30分ほど列車に乗って、午後1時半にはスペイン国鉄の列車はフランスのセルベール駅に到着。この列車は乗客を降ろしたあとは、乗客を乗せずにスペインへ回送される。セルベールからスペイン領のポルトボウに行く場合は、フランスSNCFの列車がポルトボウまで乗り入れる。出口は1つしかなく、歩いて出口に向かうと、そこにはフランスの簡単な入国検査が行われる。といってもブースがあるわけではなく立っている警察官にパスポートを見せるだけ。パスポートを見せると、いつ入国したのかをスタンプを探している。
最近でこそ、ちゃんとスタンプを押してくれるようになったけど、フランスのパリ・シャルルドゴール空港の入国審査官は気まぐれなので、以前はスタンプを押してくれない時もあった。もしも空港でスタンプを押してくれなかったら、シェンゲン協定国内に入ったスタンプがないと面倒だったかも。しかも、シャルルドゴール空港の入国審査官は、気まぐれなページにスタンプを押すので、前のページに重ねて押したらしく今回も該当するスタンプを探すのが大変・・・。
セルベールでSNCFの列車に乗り換えるんだけど、14:39発の列車までには1時間程度の時間がある。コインロッカーはあるけど使用できなくなっている。うーん、スーツケースが邪魔なので観光は厳しいけど、駅前にカフェでもあれば、そこでお茶して待てばいいか。
その前に今日の目的地のコリウールまでの切符を買っておこうと思ったら、だれも係員がいない・・・。
12:30から14時までは休憩中の様子・・・。もっとも、バルセロナからジローナ、フィゲラス・ビラファント駅(Figueres-Vilafant)を経て、ペルピニャンまでLGV(新幹線)が開通して、TGVが運行しているので、在来線のポルトボウからセルベールに抜ける鉄道ルートはもはやマイナーなのかもしれないなぁ。
出発時間を確認。14:39発のアヴィニョン行きの列車“Transport express régional”に乗ればOK。
駅前のカフェでエスプレッソでも飲もうかと思って、セルベール駅を出てみる。レストランかカフェがあったのだろうけど、つぶれているみたいで、この駅自体が廃れている印象。
セルベール駅前にはカフェもお店もなにもない。スーツケースを転がしながら、ちょっとだけ探検してみることにする。
5分くらい歩いて踏切を渡ると“Hotel”の文字がかすかに見えるけど廃墟となっている雰囲気の建物を見ると、よけいに廃れた町の印象を感じさせる。
海が見えてきた。階段を下りるとセルベールの町に行けそうだけど、スーツケースをもってこの階段は降りたくはないし、それに下りたあとに登りたくない。1時間程度しか時間もないことだし、町に出てカフェでお茶する計画は断念。コインロッカーにスーツケースを預けることができたら、探検したと思うけど・・・。
坂を下ればレストランのような感じの建物もあるし、さすがにカフェやお店がある町の中心部に行けるのはわかるんだけど、スーツケースを持っての移動は帰りが大変なので、地中海を見られる場所に行って、地中海を見るだけで断念。
ベンチがあったので、波の音を聞き、海の風を感じ、潮の香りを感じてぼーっとする。やっぱり、海は感じるのはいい。
しばらく海を感じて気分をリフレッシュしてから駅に戻る。すでに列車が停車しているので乗れるかもしれない。
なんにもないセルベール駅に戻ってくる。やっと切符売り場の窓口が開いたようで列ができている。ユーレイルパスを持っている若者が多く、ほとんどが旅行者。この駅でTGVの切符の予約をしている人がほとんどで、1つしかない窓口はなかなか順番が来ない。
ホームに向かう。手前の線路はフランス仕様の標準軌だけど、奥の線路は先ほど、スペインの列車が入線した広軌(イベリアゲージ)の線路。横からだと線路の幅の違いがわからないけど・・・。
セルベール“Cerbere”からコリウール“Collioure”までは3.5ユーロ。
フランスに入るとオレンジ色の屋根の家が並んでいる。バニュルス・シュル・メール (Banyuls-sur-Mer)などを通過してコリウールに向かう。
バニュルスは食前酒としても飲まれる甘口の赤ワイン「バニュルス」の産地。
コリウール駅の駅舎もオレンジ色でかわいい。時刻は3時5分前。
坂を下り終わると公園があって、日曜日の公園はのどかな雰囲気。
南フランスらしく、おじいちゃんたちはペタンク(Pétanque)に夢中。高齢者の男性が仲間と夢中になれるゲームって、すばらしい。日本の男性高齢者は地域のつながりが弱いから、日本でも男性高齢者のコミュニティ形成のためにもペタンクが流行ればいいのに。公園とボールがあれば簡単にできそうだし。
市街地への入口だけど、通りをのぞいてみると、なかなか楽しそうな町の雰囲気で心がワクワクしてくる。早くホテルに荷物を置いて町歩きしたい気分になってくる。
今日のホテルは、コリウールにある“Le Mas des Citronniers”という小さなホテル。
Le Mas des Citronniers
22, av. de la République
66190 Collioure
http://fr.hotel-mas-des-citronniers.com
2階の部屋に上がるにはエレベータはないけど、部屋はかわいらしい雰囲気。
バスルームは、シャワーオンリーで最近流行しているシャワーカーテンなしのガラスのタイプ。さっそく着替えなどの荷物をクローゼットに収納して、ホテルの部屋を自分の部屋にしてから、コリウールの町に出る。今回の旅行中、フランスで初めての町歩きへ。
« 初めてのカタルーニャ・南フランス・ランドック一人旅2日目(3)フィゲラスからフランス国境へ | トップページ | 初めての南フランス・ランドック-ルシヨン一人旅2日目(5)もっと有名になってもおかしくない魅力的なコリウール。 »
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 一目惚れをしたポルトへの旅 3日目(2)ブラガで10時のおやつは巨大ケーキ。(2020.07.30)
- 一目惚れをしたポルトへの旅 3日目(1)ポルト、サン・ベント駅からブラガに向かう。(2020.07.27)
- 一目惚れをしたポルトへの旅 2日目(4)カミーノを一人で歩き切った旅人と合流。お昼ごはんはポルトのB級グルメ、コンガ“Conga”のビファナ“Bifanas”を。(2020.06.27)
- 一目惚れをしたポルトへの旅 2日目(3)ポルト・フランシスコ・サー・カルネイロ空港からポルト・メトロに乗ってポルト市街へ。(2020.06.24)
- 一目惚れをしたポルトへの旅 2日目(2)パリ・オルリー空港からTAPポルトガル航空に乗っていよいよ一目惚れをしたポルトへ。(2020.06.17)
「フランス」カテゴリの記事
- 一目惚れをしたポルトへの旅 2日目(2)パリ・オルリー空港からTAPポルトガル航空に乗っていよいよ一目惚れをしたポルトへ。(2020.06.17)
- 一目惚れをしたポルトへの旅 2日目(1)ポルト行きの飛行機に乗るために、パリ・オルリー空港へ。(2020.06.14)
- 一目惚れをしたポルトへの旅 1日目(6)パリ・モンパルナスの「ル・ルレ・ドゥ・ラントルコート」“Le Relais de L'Entrecôte”でステーキを。(2020.06.11)
- 一目惚れをしたポルトへの旅 1日目(5)パリ、2019年4月15日の大規模火災後のノートルダム大聖堂に初めて行く。(2020.06.07)
- 一目惚れをしたポルトへの旅 1日目(4)パリの定宿、うずらが丘“Butte aux Cailles”(ビュット・オ・カイユ)のホテル。(2020.06.04)
コメント
« 初めてのカタルーニャ・南フランス・ランドック一人旅2日目(3)フィゲラスからフランス国境へ | トップページ | 初めての南フランス・ランドック-ルシヨン一人旅2日目(5)もっと有名になってもおかしくない魅力的なコリウール。 »
初めまして、こんにちは!素敵な旅のご様子、いつも楽しみに拝見しています(^.^)
「市街地への入り口~」のお写真に写っているクルマ、もしかして、
208のような気が、、、するのです。
我が家も208なので、そうだと嬉しいな~っと思いまして(^^ゞ
投稿: Byun | 2013年11月23日 (土) 00時50分
Byunさん、はじめまして。
208ですね。フランスではプジョー208はたくさん走っていますよ。205も元気に走っています。この旅行記の後半のほうでプジョー特集はしていきたいと思っています。
投稿: ラコスケ | 2013年11月24日 (日) 13時16分