ブルゴーニュ・リヨン一人旅6日目①北京でトランジット、初めての天安門広場
2012年11月22日、朝7時。北京空港からエアポートエキスプレス(機場快軌)に乗って、北京市内を目指す。今回の旅行、トランジットでの短い半日観光だけど、中国旅行の経験が少なく、北京は初めて訪れる町なので「まだ知らない」世界を見られる期待感は実はフランス旅行よりも大きかったりする。
切符はシングルチケットでもICカードになっている。韓国・ソウルでも、台湾・台北のMRTでもシングルチケットからIC化されており、JRと地下鉄と私鉄が複雑に乗り入れる東京ではシングルチケットをIC化するのは難しいのかもしれないが、東京はすでにソウル、台北、そして北京にも負けている気がする。
列車は市街地に入る前は地上を走り、20分ほどで東直門駅に到着。現在の北京は地下鉄が縦横無尽に走り、表示も漢字なのである程度は理解できるので、迷うことなく地下鉄2号線と1号線を乗り継いで天安門東駅へ向かう。ちょうど北京市内に入った頃はラッシュアワーで、地下鉄は満員状態。
天安門東駅で地下鉄を降り、天安門広場に上がる階段の手前にボディーチェックがあるけど、外国人だとわかると中国人よりも簡単に通してくれる。逆に、簡単すぎて尖閣諸島問題で日本人に気を遣っているのではないかと思ってしまうほどで、中国人は体を触られて厳重にチェックされている。そして、階段を上ると、一生のうちで自分の目で見てみたかった天安門広場。中国国旗のうしろには天安門。
「中華人民共和国万歳」と毛沢東の肖像画。テレビで見ている天安門を初めて自分の目で見る。そして、テレビでは、部分的に切り取られた場面を見ているだけで全体像は見えないので、天安門広場の広さを自分の目で感じる。
長安街を地下道で渡り、天安門の前に立つ。今回、北京で一番行って見たい場所は天安門広場だったので、北京空港を出て1時間で目的を達成。今回は半日しか時間がないので、行く場所をものすごく限定して、北京の雰囲気を感じられればいいと思っていたんだけど、思ったよりも時間が取れそう。
時間がありそうなので紫禁城(故宮博物館)に行ってみることにする。だけど、今回の故宮博物館見学は、時間がないので中国の宮殿を知ることに重点を置き、宝物殿などはすべてカット。
中国の宮殿を見たのは今回が初めて。中国の宮殿を見るのは初めてだけど、以前に訪れたことのある韓国ソウルの景福宮は中国文化の影響を強く受けている気がする。そして、太和殿と呼ばれる宮殿前の広場の広さに圧巻される。
太和殿と呼ばれる巨大な宮殿。広大な敷地に並ぶ宮殿を見て、中国が改めて大国であることを感じる。
韓国ソウルの昌徳宮で、屋根の上に並んでいるのは三蔵法師と孫悟空などの西遊記の登場人物と説明を受けたことがあるけど、おそらく故宮博物館(紫禁城)の宮殿でも同様のものだろう。むしろ、中国文化の影響をソウルの昌徳宮が受けたというべきだろう。
故宮博物館は広大で公務を行う宮殿の奥には、生活をしていた宮殿などもある。そして、最も北には御花園と呼ばれる庭園がある。
北側にある神武門の出口から外に出る。時間があれば景山公園から故宮博物館を見下ろしてみたいけど、時間の問題よりも丘を登るのが面倒なので今回はカット。広大な故宮博物館の裏側に出されてしまったけど、歩いて戻るか、自転車タクシーに乗るしかない?でも、町の雰囲気を感じてみたいのでお堀に沿って、歩いてみることにする。
地図を見ると「王府井」という繁華街までは地下鉄で一駅程度なので歩いてみることにする。
地図を見ながら太い道ではなく近道をしようとショートカットして路地に入ると生活感あふれた道。中国は地図を見ながら自由に旅行できる国。
パリのメトロ一駅分とは異なり、だいぶ歩いて、目的地の王府井にある楽天銀泰百貨店がようやく見えてきた。以前に訪れたことのある上海の南京東路とは違って、あまり建物が密集していない。
百貨店の手前には王府井天主堂と呼ばれる古いカトリック教会が立つ。
王府井一体は近代的なショッピングセンターになっており、近代的なビルが建ち並ぶ。
北京市百貨大楼(王府井百貨店)の地下で、せっかく中国に来たのだからジャスミン茶とプーアール茶でも買おうと思って、デパ地下のお茶屋さん(天福茗茶)をのぞいてみると、すぐに若い女性店員が近づいてくる。デパ地下なので、品質的にもよいものだし、ぼられることはなく正規の価格だというのはわかっているけど、ちゃんとしたものは品質に見合ったそれなりのお値段・・・。
若い女性店員たちは必死に英語で説明してくれて様々なお茶を試飲させてくれる。まぁ、商売なので一生懸命売ろうという気持ちは当然なんだけど、筆談をしたり、日本語でなんていうのかを伝えたりしているうちに、中国人の若い女性店員たちはものすごく素直で人なつっこいことに気がつく。その結果は、まんまとお茶を結構な金額分を購入してしまうことになる。その後に別のお店で中国のお菓子を買ったあとで、私がエスカレータに乗る姿をみつけて、まぁ、たくさん買ったからだとは思うけど、満面の笑顔で手を振ってくれる天福茗茶の店員を見て、今の日本では失われてしまった素直さと人なつっこさに好印象。
路地をさまよっているとファーストフード店が立ち並ぶエリアに入る。
「煎餃」は焼き餃子としても、「鮮爆肝」ってなんだろう?まあ、モツ料理であることには間違いない。北京で食事をするのは昼食1回のみ。日本では食べられない庶民的な食事で済ましてしまうか、ちゃんとしたレストランに入ろうか、どうしようかと悩む。
サソリの串揚げ。ゲテモノだけど、油で揚げてしまえば、たぶん味はなくてパリパリとした食感しか残らないだろう。
老北京小吃(シャオチ)街、お菓子なども売られているので、ピーナッツ菓子を買ってみたり、やっぱり路地は楽しい。
出発前は「報道」を見る限りでは尖閣諸島問題で日中関係がぎくしゃくしておりどうなるかと思ったけど、北京は地下鉄網も充実しているし、乗客も普通だし、住宅街も自由に歩けるし、何ら問題なく北京観光ができているし、楽しめている。近代化も進んでおり、町も清潔な印象。もっと時間があれば、近代化の波に取り残された、昔ながらの住宅街などを探してみたいと思うくらい。
あまりにも報道をみて考えていたことと、実際に自分の目で見て感じたことが違うので、私たちがマスメディアによって植え付けられている情報は、はたして本当の中国を表しているのかと疑念を持ってしまう。全体から見ればほんの一部分の現象を、マスメディアの意図によってあたかも全体のように誇張されているのではないだろうか。意図されたマスメディアの報道を、そのまま鵜呑みにして良いのかと考えさせられる。それは、フランスだって同じ。本や雑誌を売るために、フランスはなんでもおしゃれで、なんでもかわいくて、夢のような国であるかのように描かれている。しかし、実際は今回の旅行でも荷物はロスバケするは、町の中には大きな犬を連れたホームレスがいるし、TGVは遅れるし、ぜんぜん夢の国なんかじゃない。
ということで、先入観や偏見をすべて無視して楽しもうという気持ちで臨んだ北京半日観光、実はフランス旅行以上に、中国文化に触れることが新鮮で楽しかったりする。地下鉄網が発達している現在の北京は一人歩きも気軽にできるので、北京旅行だけでもう一度訪れてもいいかもしれないなぁ。
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