11月のパリは“Grève”(ストライキ)の季節?
過去に11月に3回パリに行って、2回も“Grève”(ストライキ)に遭遇している。1回目は2007年のRATPとSNCFのストライキでパリのメトロが動かなかったこと。そして、翌2008年は、エールフランスのパイロット組合のストライキに遭遇。3年ぶりの11月のパリは、はたして“Grève”(ストライキ)に当たることなく無事に旅行できるのだろうか?
2008年11月14日パリ。この日は23:25発のエールフランスAF278便で帰国する日。パリを23:25に発つので、休みの日数が限られている社会人とっては、普通のヨーロッパ旅行だと最終日は空港に行って終わりだけど、AF278便を使うと最終日もめいっぱいパリを楽しめる。
しかし、朝のニュースで不吉なニュースを目にする。エールフランスのパイロットの“Grève”(ストライキ)が発生しているらしい。でも、まあ、すでに起きてしまっていることなので、心配しても仕方がないので、普通に観光に出て、パリ最終日を味わうことにする。
(今回のお話は実はこの続き)
https://lacosuke.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/serge-gainsbour.html
ラ・ヴィレットの音楽博物館“Musée de la musique”でゲンズブール展“Gainsbourg 2008”を見たあとに、遅めのランチを音楽博物館の建物にあるCafé de la Musiqieでとることにする。
日替わり昼定食は前菜とメインで18ユーロ。日替わり定食はお得なのと、その時しか食べられない料理なので、わりと頼むことが多い。
注文するときに前菜の内容がわからなかったので、聞いてみると、栗ときのこのポタージュ。これが、最高に幸せを感じるほどおいしい。博物館の食堂なんてたいしたことないものと思いきや、感動的においしい。
メインのマスのつけ合わせのラタトゥーユのおいしいこと。博物館の食堂なんだけど、おいしいものを食べて楽しい時間を過ごす。
ラ・ヴィレットまで来ていたので、久しぶりにサクレクールへ。パリに来始めのころは、モンマルトルのパリの下町っぽい雰囲気が好きで、毎回のように訪れていたっけ。
最初にパリに来たときは、階段に腰掛けて、スリがいないか心配しながら、パリの街を眺めたっけ。パリに来た初心の「ときめき」を思いだそうとモンマルトルの丘を登るけど、今日は残念ながら曇っていてパリの街を見渡せない。
久しぶりのテルトル広場。初めてパリに来たときは、ここから坂を下る道でクレープを食べた気がする。
もはや地図を見なくても行ける「アメリ」に出てくる八百屋さん。
公園の横にあるアールヌーボーのAbbesses駅の入口。パリのメトロの入口の中では、一番雰囲気があるかも。
その後は、最終日恒例の「お買い物タイム」。ラファイエットに寄ったり、モノプリに寄ったり、おみやげを購入。最後にホテルに行って、スーツケースをピックアップして、最終パッキングをホテルのロビーですませて、RER-B線に乗って空港に向かう。
空港に着き、なんとなくすいているので嫌な予感はしたんだけど、発着案内板を見ると、AF278便に“ANNULE”(キャンセル)の文字が・・・。そう、フライトがキャンセルになって帰れない。とりあえず、帰国便を確保しなければいけないのでカウンターへ。
カウンターで交渉をはじめると、すでに2日後のKLMのフライトを確保してあるという。もちろん、滞在中のホテル代も出してくれるので、もう1日パリを楽しめるし、もしも時間に余裕があればラッキーな話なのかもしれないけど・・・。
私の場合は帰国翌日の11/16に宿直が入っていて、仕事の都合上、宿直をぎりぎりになって変更するという事態は避けたい。しかも、遊びに行っていて帰れないというのは好ましくない。なんとしても翌日11/15には飛んで、成田空港から職場に直行することになるけど、11/16には帰国しなければならない。
11/16には仕事の都合で帰らなければならないのでソウル経由はダメか、他のスカイチーム系航空会社に振り返られないかと交渉しはじめる。
カウンターで、どうしても帰らなければならないと必死に伝える。必死にアピールし、カウンターの女性職員も2人体勢にて、さらには日本語電話通訳まで登場するけど、「どうしても帰らなければならないのでお願いします」と言い続ける。
エールフランスのカウンターの職員はとてもすばらしい人たちで、私が帰国しなければならないこと、私が困っていることを理解してくれており、一生懸命必死にフライトを探してくれている。だけど、どうにもならずに困ってしまっている様子なので、さんざんねばったけど、内心では「もうダメだな」と思い、それにカウンターの職員ががんばってくれたので、あきらめて日本語電話通訳に「わかりました」と言いかける。その電話のやり取りと同時に、責任者と思われる女性が通りかかり、カウンター職員2名が相談し、なんと責任者の権限で翌日11/15のAF276便の搭乗券を発券してくれることになった。
“Merci !!”
満面の笑みで「ありがとう」を伝える。今晩のホテルもすぐに手配してくれて、バウチャーをもらう。助けてくれたカウンターの職員もうれしそうに笑顔で送ってくれる。
出口のところで、エールフランスの日本人職員に「よく、明日のチケットもらえましたね」と声をかけられる。そう、たぶん、カウンターの人も一緒になって困ってくれたいい人たちだったし、ラッキーなんだと思う。
深夜になって、シャトルバスに乗って、空港周辺のホリデーインエキスプレスへ。
無料なのに、今までパリで泊まったホテルの中で最も広くて、もっとも快適な部屋・・・。
エールフランスのバウチャーには夕食券がついていて、機内食があるので夕食を食べていなかったので、深夜だけど、パリ最後の夕食。
ちゃんとした夕食だけど、私はパリの町中の定食屋のようなレストランのほうが好きかも。
翌11/15、シャトルバスに乗って空港に向かう。案内板を見ると一番下に表示されているAF276便は、定刻通り!これで帰れる!
昨日(11/14)、運良く発券してくれた11/15発のAF276便の搭乗券。
今までに経験したことのないほどの「帰れる!」という安堵感。会社に無事に宿直ができることを連絡して、ほっとした気分で空港にあるPaulで今回の旅行でパリ最後の「タルト・オ・シトロン」を。手荷物検査を通過したあとは、いろいろな部署にばれてしまったので、空港でおみやげを買うことなんてめったにないのに、おみやげを追加購入・・・。
乗ってみると、エコノミー最前列のほうの座席で、おそらく、本来はマイレージ上級会員用に確保してあるんだろうけど、隣は空いているし、空席もある。エールフランスは、2008年には東京便を1日3便飛ばしていたけど、2008年11月15日に飛んだのは、AF276便の1便のみで、AF272便、AF278便はこの日も欠航。このときの経験から、たとえ“Grève”(ストライキ)にあたったとしても、AF276便だけは飛ぶ可能性が高いということを学ぶ。
どうしても、今回の旅行は11月なので、“Grève”(ストライキ)のトラウマが抜けず、今回のマラケシュ・パリ旅行も、本当ならAF278を手配して夜までパリを楽しむほうが絶対にいいけど、AF276便を手配してしまう私がいる。
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コメント
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ストライキのお陰で半日滞在が延ばせたのですね。
交渉の仕方、覚えておきます。
帰国便がいろいろな事情で飛ばなかったらって、出かけるといつも心配になります。
火山灰とか台風とか、気象状況ならまだしも、ストなんて回避してもらいたいものですね。
投稿: kaori | 2011年10月11日 (火) 00時26分
kaoriさん
デモやストライキなどを通して、運動によって政治を変えるという意味では、日本ももう少し国民が行動を起こしてもよいと思います。その意味で、フランスでストライキにあたるというのも、フランスをより知ることになったと思います。
今回の交渉でなにを伝えたかったか言うと、文章がつたなくて申し訳なかったですが、私自身に利益があるように交渉したのではなく、困っているという真意がうまく伝わって、助けてくれたということです。必死に伝えれば、伝わるということが言いたかったのです。
そのため、私自身は、「半日滞在が延ばせた」ことで得をしたとはぜんぜん気がつきませんでしたが、たしかにそういう見方もありますね。異なる視点から気をつかせてくれてありがとうございます。
ストライキの交渉は天候よりもぜんぜん楽です。天候が原因では不可抗力のためにホテル代もでない可能性が高いですし、振り替えようにも、他の航空会社も全滅ですから。一度、12月のミラノで帰国日に大雪でマルペンサ空港が閉鎖されて、空港に寝泊まりする人になるかの思いをしたことがありました・・・。
投稿: ラコスケ | 2011年10月11日 (火) 21時35分
いえいえ。文章からは帰りたい~っていうのがよく感じられましたよ
ところで、遅延の時は、チケット代はどうなるのでしょうか。
FIXで購入していると、帰国便はもう一度購入するとか聞いています。
しかも正規運賃でとか。そうなんでしょうか?
投稿: kaori | 2011年10月11日 (火) 23時07分
kaoriさん
大手航空会社であれば、悪天候や空港混雑による遅延等で、個人的理由でない限り、無料で振り替えになると思います。
投稿: ラコスケ | 2011年10月11日 (火) 23時45分