ローマ・アマルフィ6日間3日目①ポジターノ(アマルフィ海岸)
12/5日曜日のアマルフィの朝。雨も上がり、すっきり晴れていたので、朝8時の朝食前に海岸を散歩することにする。海からあがったばかりの太陽が、アマルフィの町を照らしている。
自分の目で美しい風景を眺める。波の音を聞きながら。風を肌で感じながら。五感のすべてでその風景を感じる。美しい風景に自分が溶け込んでいる時ほど幸せなことはない。だから、旅にでるのかな?と思う。
一人旅だと、その美しさは自分だけで味わうしかなく、一緒に共感できる人がいればいいとさみしく思うときもあるけど、気に入った風景をしばらくぼーっと眺めている時が好き。
ホテルの入口は、普通のアパートのよう。すぐ隣が小さなスーパーマーケットで便利な場所。散歩を済ませて、そのままホテルの朝食レストランへ。イタリアの朝食は、ブリオッシュ系の甘いパンが多い。クロワッサンにもチョコやクリームが入れられていたり、粉砂糖がかけられている。慣れてしまうと、甘いパンとカプチーノの組み合わせが幸せだったりする。それに、ホテル“L'Antico Convitto”は小さいホテルだけあり、クロワッサンが温めてあり、ふわふわの食感でおいしい。なかなか幸せな朝食。
冬の静かな海というのもなかなかいいもので、もっと連泊してなにもしないヴァカンスを味わえれば最高だけど、今回の旅程は短いので、アマルフィを発たなければならない。
ソレント行きのバスに乗るために、バスターミナルに向かう。
アマルフィの風景を記憶の中に刻みながら。
アマルフィからバスに乗り、ポジターノへ向かう。車窓からは絶景が広がる。
車内アナウンスがあるわけではないので、降りる場所がわかるかちょっと不安なバスの旅。地図を見ながら、たぶん、ポジターノのアマルフィよりのバス停と思われる場所で、運転手に確認してバスを降りる。
バス停から町へは、なだらかな下り坂になっており、海が美しく見える。
海はなんとも言えない美しい色。たしかに、ナポリから船でカプリ島に渡れば「青の洞窟」があるわけだし、アマルフィ海岸はさらに南側なので、海が美しいのは当たり前なのかもしれない。ニースからマントンにかけてのフランス・コートダジュールの海も美しいし、どうも、地中海の海の美しさには魅了される。
美しい海と、近づいてくるポジターノの町を眺めながら、ゆっくりと坂を下っていく。
バス停から坂を下っていくと、ポジターノの町を一望できる。アマルフィ海岸の風景を代表するような山に貼りついているような家。ちょうど、アマルフィ寄りのバス停から坂を下ったあたりが、美しい風景を一望できる。
バス停まで戻れるのだろうかと不安な気持ちになりながら、さらに海岸に向かって降りていくと、狭い路地の両側にはお店が並んでいる。
アマルフィの町は、どことなく素朴な食料品やおみやげ物屋が多いけど、ポジターノはマントンのようなレモンのおみやげ屋さんや、
狭い路地を抜けるとようやく海岸にたどり着く。12月の海岸は、静かな雰囲気。たまたまかもしれないけど、この時期のイタリア、天気の移り変わりが激しく、さっきまで晴れていたのに雲が流れてきてしまった。さっき、海の写真を撮った時は晴れていたのに・・・。
さすがに12月の海。しかも、アマルフィと違って、ポジターノは海岸線のそばまでクルマで来られる道がないので、ほとんど人がいなく、静かすぎるくらい静かな雰囲気。サッカーをしている子どもくらいしかいない。
ちなみに映画「アマルフィ~女神の報酬」のロケ地はこの海岸。季節が良ければ、海は青いし、すぐそばまで迫っている山。そして、その山にへばりつくように立っている住宅。のんびりくつろぐには最高の場所のような気がする。
ポジターノで見つけた小さなクルマ。といっても、珍しいクルマではぜんぜんなくて、普通にフィアット500。サレルノからアマルフィに抜ける道は、ルパン三世「カリオストロの城」の冒頭シーンに出てきたような、断崖絶壁の狭くてカーブだらけの道。小さなフィアット500が疾走していたら絵になりそう。アマルフィ海岸には、旧型が似合う気がする。
そして、以前に南仏でも見つけた三輪車。田舎町には古いクルマが似合う。
バスの車窓から、布で覆われた作物があるのは気になっていたけど、ブドウかな?なんて思っていた。たまたまポジターノを歩いていると、布で覆われた木を近くで見ることができる。ブドウにしては大きな木だし、なんだろう?と思って見てみると、中に黄色い実がなっている。そう、名物のリモンチェロの原料でもあるレモン。
山にへばりつくような家も、近くで見ると、洗濯物が干してあったり、ちゃんと人が住んでいることがわかる。どんどん坂を登っていくけど、行きとは違う道。最初にバスを降りた場所からはどんどん遠ざかっており、バス通りにたどり着かなかったらどうしよう・・・。ちょっと、不安に思いつつ、風景を楽しみながら、どんどん坂を登っていく。
ポジターノには2つのバス停があり、アマルフィよりのバス停ともう一つ高台のバス停があるはずで、高台のバス停を目指してひたすら一本道を登る。一本道なので迷うことはないはずだけど、海岸からかなり登っても、アマルフィからソレントに抜ける道にたどり着く様子がない。途中、だいぶ不安になってくる。もしも、バス停がなければ、確実なのはスタート地点まで戻ること。もう、だいぶ歩いてしまっているし、せっかく上り坂をがんばって登ったのに、降りるのは辛い。
ようやく、商店がある道にぶつかり、人だかりが見えてきた。そしてSITAのバス停を発見!振り返ってみると、だいぶポジターノの町から登ってきたことがわかる。そして、山の近いこと。バス停にたどり着いた安心感から、ふと風景を眺めると、眼下の景色は美しいし、そして山の風景も美しい。
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